サントリー文化財団・上席研究フェロー 佐藤友美子さん |
いかけをしながら、重ねてきた聞き『成熟し、人はますます若くなる』 (NTT出版)。次の世代に引き継ぐべきものって何? そんな間書き。哲学者鶴見俊輔、料研究家辰巳芳子といった、先達と呼ばれる19人へのインタビュー集である。
サントリーOB、開高健からのエールを忘れない。研究所の新設を前に、「これからの時代は女性だっ」と喝破された。アタマであれこれ考えるより、自らに備わった肌合い、実感を出発点に、と、その端的な言葉を解した。同社に伝わる「やってみなはれ」の社風にも背中を押された。
世相は変わり、何かと効率化を求める風が、社内外で強まっでいる。
個々の暮らしでは車なり装いなりで、こだわり、が重んじられるように。「多くが同じ志向に流れたバブルまでと比べると、いいように見えて、怖くもある」。そのどちらの傾きも、他人とのかかわりを、浅くさせる作用がある。