60歳から家を建てる NO3 |
最後にお会いした時の彼の言葉はこうだった。
「頑張って家を建ててよかった。若い貴兄と同輩のような気分で、本当に若返って10年も20年も得をしたような感じがしました・・・・・」
最後には入院することになったが、夜中に生命維持装置を自らの手で外してタクシーで自宅に帰り、そこで息を引き取ったという。男の家づくりあるいは家の執着は、まさにこうでなければ、と建築家としてこの歳になって改めて感動を覚えた。
その家は現在、兵庫県西宮市でオルゴール博物館として一般公開されている。
本の紹介 裏表紙から
待ちに待った定年だからこそわがままいっぱいの家に住みたい。
現役時代は会社や家族のための人生だった。定年後、初めて、夫も妻も自分の本当の人生を生きられる。そのために「新たな家」が必要だ。増築、減築、マンションのリフォームも含め、様々な実例と身を守るための工夫や、資金調達の方法が満載。バリアフリーだけじゃないもっと重要なことがある。ベテラン住宅建築家が薦める理想的な終の住処