社会起業家 から抜書き 町田洋次著 |
医療、福祉、教育などの社会消費の分野では最近問題が頻発している。どれも競争のない規制産業で、時代の変化に対する適応力を失っているからである。社会起業家とは、これらの旧勢力に代わって、医療、福祉、教育、環境、安全、文化、金融などの幅広い分野で、新供給システムを創造する人々である。
これまで何度も述べてきたように、かつては家庭や地域社会で行っていたことを、ことごとく国家がするようになったのは、たかだかこの百年間のことである。しかし、もはや国家はそんなにたくさんの肩代わりはできなくなったのである。
・・・・明治20年代頃までは市民が学校、病院、救貧組織など、社会の底辺の人々のための組織を作っていた。
しかし現代社会の様々な問題は、アマチュアだけでは手に負えない、大事業なので、それをやるのにふさわしいプロフェッショナルな経営者がいる。ボランティアの先には社会企業家のようなプロの活躍が予想される。
定年をなくすと、従業員のやる気が出てくる。大村さんは、誰でもやる気を出して働くようになる環境にするには、「自然動物の放し飼い状態が良い」と考えている。そうすると、みんな元気になって若くなり、生き生きと働くように変わることを実感している。