小池 昌代さんの短編集 |
とても自然に始まる、四人の決壊の場面。筆致は淡々としているが、目を疑いたくなる事実と、しかし不思議に全てが聖化されていく瞬間とがある。「終わりが始まっているのかもしれなかった」と記され、我慢していた何かが、ありありとなる。ここにあるのは性欲であり、それではない。そう思わせる何かが、決定的にあ驚読み終えて過激に、人と人とに確かにまみれてしまったことに気づいた。↓ルーガ」 「裁縫師」などこれまでの作品を読み進める度に、単なる詩人による小説への越境ではないと分かってきた。大きく踏み出し、それでも変わらない何かを模索している。本短編の瞬発力に、作家の気を感じたが、詩人の眞顔が見えた。