職選びめ基準は、「有利」より「好き」 堺屋 太一氏 |
この国を上手に再生したり、違った繁栄に導くことができない。根本的な改革を避けている。
むしろ思いもつかないでいるのでは、と非常に心配している。
-これからのサラリーマンに求められる気質は何か。
戦後のサラリーマンは先憂後楽。まず心配して貯蓄して人生を読み切る生活が良いとされたが、これからは健全な楽観主義が必要だ。人生は予定通りにはいかない。昔の人は「その時はその時」という覚悟があった。変動がきても慌てない。覚悟があれば楽観的に生きられる。
そして「有利」より「好き」を選ぶことを何よりも大事にしてほしい。′この職業が有利、例えば医者が有利という選択ではなく、この職業、この職場が好きというこ七で選ぶべきだ。あらゆる職業において「有利」を探すと必ず失敗する。仕事がおもしろいということが幸せ。好きなことをするのが幸せ。「好き」は仕事にも暮らしにもある。「好き」を基本に勇気と決断と覚悟の美意識を持ち直そう。 (聞き手は垂男社会部次長 小林隆)