ビジネス選書&サマリー |
「ナマクラ流ズボラ派家庭料理研究家」として絶大な人気を博して
いる奥薗壽子さんの原点は、時間のない中でいかに無駄な手間をか
けずに、おいしくヘルシーな料理を作るかという一点にあるそうだ。
そんな奥園さんの教えに「面倒くさいという気持ちに素直になろう」
というものがある。ジャガイモの皮剥き一つとっても、マメな主婦
なら剥いてしまうところを、面倒くさいからなんとかしようとする。
そこに工夫が生まれるのだ。私の時間に対する考え方の根本も、こ
れと同じだ。時間の使い方が上手で、質の高い仕事をしている人は、
概して面倒くさがり屋だ。
面倒がイヤなので、なんとか面倒をしなくて済むような方法を考え
ようとする。だからいいアイデアが浮かぶのだ。
日本の社会では、面倒なことも面倒がらず、根気よくコツコツと積
み上げていく人が評価されてきた。だが、今の時代「コツコツ」に
時間をかけていると、あっという間に追い抜かれてしまう。
今、求められるのは、選択と効率化によってポイントを絞り込み、
限られた時間で最大の成果を上げることだ。そもそもコツコツが得
意という人は少ないはずだ。普通は面倒からは逃げ出したいものだ。
だからこそ、時間で自分を律するのを止め、自由に使いこなす方法
を考えるのだ。全部をコツコツやるのが面倒だという、その気持ち
から、ブレイクスルーは始まるのだ。