今、そこにある危機 日経大機小機より |
円安と同時に、対ドルでも対ユーロでも円高が進行していることも利上げの影響奪つかがわせる。確実にいえることは、日銀の政策変更はいかにも「間が悪かった」ということである。
もっとも、首銀の本当の問題はそこにはない。食料品とエネルギー価格の影響を除外してみると、そもそも日本はデフレを脱却していない。そしてエネルギー価格の下落を受けて、二月の消費者物価指数はマイナスに陥るだろう。こうした日銀の行動は、率直なところ、その手腕に不安を抱かせる。危機管理の要諦(ようてい)は不測の事態に備えることであり、危機に際して必要なのは機敏な対応である。日銀は予測可能な事態にも、うまく対応していないようにみえる。ましてや危徽管理能力にはなおさら疑問を感じる。