オシム語録 続き 日経新聞 1月26日より |
オシム監督が描く理想の選手像ははっきりしている。
「学び続ける選手である」
「大事なのは学び続ける気持ち。周囲の言葉に耳を傾け、敵味方のプレーに何かを感じ、それを自分に生かせるかどうか」
「負けがショックなのに、負けに対するあまりの備えのなさがショックだったのか、冷静に考えてみないと」
「目に見えない、成果を測るのも重要な仕事。あらゆる可能性を考慮し、備える努力を怠らないのが監督という仕事の本質だと思う」
「どうもこの国には、結果だけにとらわれない文化がある、ということに気づいた」
「日本には豊かであることを逆にコンプレックスに感じているサッカー関係者がいる。ハングリーでないと。でも経済的に恵まれ、何でも選べる中からあえてプロの選手を選んだ日本の選手にはサッカーをする喜びがまだある。そこには、欧州の金まみれのサッカーより、ずっといいと私は思う」
ポリバレントという言葉は、オシムサッカーのキーワードとして、すでに紹介されている。
化学用語では、原子が他のいろいろな原子と結合して別の様々な機能を持ちうること。サッカーでは複数のポジションをこなす多様性、異なるタイプの選手とも連携できる敷居の低さをたたえる言葉として使われる。
ボールを奪うとどこからでも誰からでも攻めに出る、融通無碍な変わり身の早さ。ポジションの横割り意識を破壊し、勤勉な守りと奔放な攻めを共存させるため「走れ!」
オシム監督は日本を日本化したいと言った。確かに実験はもう始まっている。