日本には黄砂の銀座通りがある 日経新聞より 岩坂 泰信氏 |
中国大陸から飛来する黄砂はかつては「春の風物詩ヒ。近年は地球温暖化にもかかわる環境問題として注目されている。
金沢大学の岩坂泰信教授らはさらに地球の生態系にかかわる新たな側面を朋らかにしつつある。
上空の黄砂濃度を調べると地表の近くより高度数キ・屑の高空の方がたくさん飛んでいる。レーザー光線による観測装置(ライダー)で調べてわかった。とくに高度五キロあたりは西風に乗ってすいすいと流れ、ハワイや北米大陸西海岸まで達していることが米国などの研究グループの調査でわかっている。
採集したものの中に汚れた粒があった。大気中の硫黄酸化物など化学物質が砂の表面について化学反応を起こしていることがわかってきた」
「硫黄酸化物は大気汚染物質だが、細かい粒戸になって漂うと、太陽光を遮って地球温暖化をやわらげる効果をもつとされている。そこで黄砂が硫黄酸化物を吸着するとなると太陽光を遮る効果を減じてしまうと予測される。今、このあたりが非常に関心の高い研究分野になっている。
「化学物質だけではない。生物も運んでいると私は思っている。タクラマカン砂漠で風船を飛ば
し空中の黄砂を捕獲して調べたら、表面に菌類(キノコやカビの仲間)が見つかった。微生物が黄砂に乗って生息範囲を広げている可能性はある。黄砂は空高くにある『第二の岩石圏』と言えるかもしれない。
すごい世界もあるものですね、迷惑ばかりと思っていたのですが・・・