原発事故経てなお 同調や忖度ばかり 若者たちは見てる 石橋哲さん 朝日新聞 2019/12/27 |
by nandemokoukisin 検索
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2019年 12月 27日
なぜ、なにゆえ、日本は変われないのでしょうか?
あれだけの、事故がおきても、何も変わらなかったですね!! 「いや、それは黒でしょう」と指摘できます。社会には公開性や透明性が必要なのです」 透明性や公開性は、いまの内閣見ていても、本当に、ないですよね〜 これだけの、長期安定性を与えらたのですから(本人は勝ち取ったというのでしょうけど)、もっと、日本の厳しいけど明るい道筋をつけてほしいですよね!! 「地味に、しつこく、前に進みます」 いい言葉です!!
2011年に起きた東京電力福島第一原発事故をめぐり、国会は同年12月、民間人からなる独立の事故調査委員会(国会事故調)を1年間の時限で設けた。事務局で実務を担った石橋哲さん(55)は、今も高校などで事故調報告の神髄を語り続ける。何が石橋さんを動かしているのか。 ー国会事故調が解散して7年以上経ちます。今も事故調の話をするのはなぜですか。 「事故の背後には、自らの行動をずっと正当化し、責任回避を最優先し、記録を残さないできた不透明な組織と制度があり、それらを許容する法的な枠組みがあったと事故調は指摘しました。その根本原因の解決に向けて不断の改革の努力を尽くすことが、国民一人ひとりの使命だと報告書に書いたからです」 「国会事故調は、国会が憲政史上初めて作った独立調査委員会です。事故が起きた11年の12月にでき、翌12年7月に592町に及ぶ報告書を衆参両院の議長に提出しました。委員10人の下、最盛時は約100人のスタッフが延べ1167人の関係者に900時間以上話を聴き、東電や規制官庁に2千件以上の資料を請求して、事故原因や再発防止策を探りました」 —実務の調整・取りまとめ役は大変だったでしょう。 「設置法で調査期限も約半年と定められていました。最初はパソコンもなく、活動は実質3ふ4カ月でした」 「目が回るような忙しさの中で迎えた12年の3月11日、小学生だった次男が親の仕事について調べる宿題だったのでしょう、『一年経って世の中はどう変わりましたか』『あなたは何をしましたか』と尋ねてきました。頭を殴られたような衝撃がありました。本当に自分事にしてきただろうかと考えたのです」 「報告書の公表後、『これで日本は変わるね』と友人に言われましたが、むしろ、これからが大事だと思いました」 「そこで友人や知り合った高校生、大学生らと『わかりやすいプロジェクト』という活動を始めました。報告書の内容を一人でも多く知ってもらおうと、メンバーが手作りで動画などにまとめ、ウェプで公開しています」 ー13年から福島県立福島高校が開くゼミで毎年、講師をしているのも、その延長ですね。今年は名刺入れの色を話題にしました。 「日本社会にはぴこり、原発事故の大きな原因でもある同調や忖度について考えてもらいました。ふたりきりの密室で、人事や評価で絶対的な力を持つ上司が言い張れば、黒い名刺入れでも「茶色」になりがちです。評価を気にする優秀な人ほど「黒」とは言わない。 でも、大勢の人が見ていれば 「いや、それは黒でしょう」と指摘できます。社会には公開性や透明性が必要なのです」 「私はバプル期に日本長期信用銀行に入り、バプルがはじけると取引先の破綻処理を担当しました。そうこうするうちに長銀自体が破綻しました。その後、企業の事業再生を支援する産業再生機構にも参加し、だめになる会社には共通点があると考えています。人事異動が少なく、部分最適を追って全体最適になっていない。周囲の『空気』ばかりうかがっていては、変われないのです」 ■ ■ ー原発事故や社会のありようを生徒に考えさせる題材は、人気アニメ「進撃の巨人」でした。 「これは城壁の外に人を食らう巨人がいるという設定です。安全を守る壁の絶対性を説く支配層、それに従う普通の人々、壁に疑問を抱く少数派の3グループに分かれて、それぞれが何を大事にしているか議論したうえで、そのためにどう行動するかを発表してもらう『なりきりディスカッション』をしました。支配層と普通の人々が疑問を抑えつけ、壁に疑問を持つ人々が少数である限り、巨人が壁を壊してなだれ込み、多くの人が食われる結果を招きます」 「自ら考えずに他人事にしていたのでは、安全の神話化は繰り返されます。賛否が問題なのではなく、自分の頭で考えること、違う意見にも耳を傾け、物事を様々な角度から見ることが重要です」 「企業の研究者らを対象にした大学の講義でも、同じことをしてもらいました。「こんなに心をえぐられたのは初めて」といった感想が寄せられました」ゼミの最後は「災害は病気と似ている」という話でした。 「事故や災害が起きると、様々な問題が一挙に顕在化します。それは慢性の病気が急に悪くなった状態に似ています。解熱剤で発熱を抑えるなどして一時的に楽になったとしても、もとの病気を治さなけれぱ再発します」 「顕在化した問題は氷山の一角です。本当の原因は、その前から抱えていた制度的な欠陥・問題で、そちらの方がずっと重要ですが、十分に議論されていません。メディアの注目も足りません」 ーゼミの牽引役で第一原発に近い浪江町出身の高橋洋充先生は「原発事故は考えもしなかった。直後は誰が悪かったんだと犯人捜しばかりしていた。6年前に石橋さんの話を聞き、思考停止していた自分にも責任はあったんだと気づいた。取り返しがつかない後悔だが、君たちはいま気づけて幸せだ」とコメントしました。 「どんな思いで話されたかと考えると、胸が詰まります」 「一方で生徒からは「理想論ではないか」「報告書の提言が実現していないなら、実現に向けてどんな手を大人は考えているのか』といった厳しい意見も出ました。一つひとつ突き刺さりました」 ■ ■ ー今月5日には衆議院の原子力問題調査特別委員会に、同委員会アドバイザリー・ボード、(会長=黒川清・元国会事故調委員長)のメンバーとして呼ぱれました。国会の取り組みはいかがですか。 「17年にボードができてから4回出向きました。国会事故調があったことさえ知らない国会議員がたくさんいて衝撃を受けました」 「事故調はたかだか半年活動しただけで、手を着けられなかった問題がたくさんあります。なので国民の代表である国会で調査や議論を継続するよう提言したのですが、ほとんど実現していません」 「未解明部分の原因究明や、原子力をめぐる組織的・制度的問題の解決など、大がかりな取り組みになるので、実施計画を作って進み具合を国民に公表することや専門家による独立調査委員会を活用することといった具体策も挙げてあるのですが・・・・・・」 「この間、米国の連邦議会は専門家に依頼し、福島第一原発事故について2年問かけた調査を2回実施しています」 ー衆院特別委員会では「どうしたらいいでしょう」「何の議論を優先すべきでしょう」といった質問が相次、ボードメンバーが「みなさん方が議論して決められるべきことではないですか」と答える場面も目立ちました。 「私たち大人世代は自分の頭で考えることに不憤れなんだなあ、と改めて痛感しました」 「福島高校では毎年、1回のゼミでは飽き足らなかった生徒だちとさらに議論を深める活動を続けてきました。自分の考えをパーツとしてホワイトボードに出し合って、対話する共同作業です」 「それに対し、特別委員会では『政府も野党も議論したがらない』という委員の発言がありました。ある意味、的を射ていると思います。質問されたことにしか答えてはいけないという議院規則や先例に縛られ、実質的で建設的な対話ができません。国会改革というと議員定数削減ばかり話題になりますが、それより議院規則の改定の方が重要だと考えます」 ■ 変えない方が楽 その「空気」破り 自ら考え進もう ■ ー国会を含め、日本社会はなぜ変わらないのでしょう。 「変えるより変えない方が楽で合理的だからです。国会議員にとっては有権者の支持を集めることが重要です。『どうすればいいだろう』と議論で悶々としている姿より、見栄えよく誰かを非難している様子が報道された方が票につながると思うから、変わらないのです。そういう有権者、商業メディアだからです」 ー絶望的な気分になります。 「何もせずに国会が悪い、政治が悪いと言っていても、何も変わりません。昨日と同じような行動を選択するから、昨日と同じような日がまた一日延びるのです。社会は与えられるものではなく、『私』が『今』創るものです。自分を変えることは一番簡単です。国会議員も自分の周囲の有権者がどう考えているかを見ています。 『変えることが合理的なんだ』と思えば、必ず変わります」 「世界史の教科書を開くと、この一行の中に何人が押しつぶされる思いをしただろうと考えます。でも、社会は変わってきました」 「若い人だちと話すたぴに目が開かれます。自分の言葉が自分に返ってきて痛くて仕方ないけど、楽しいから続けています。11年の原発事故で私たちは生まれ変わったのだと考えれば、若者も私もみんな同じ8歳の仲間なのです。地味に、しつこく、前に進みます」 (聞き手・大牟田透)
by nandemokoukisin
| 2019-12-27 16:31
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