韓国南東部の慶州市で28日まで開かれていた国際少年サッカー大会で、日本のチームが地元の市民から「飛び込み」の応援を受けた。日韓関係が悪化する中での出来事に、チームは「驚いたが、子どもたちも喜んでいる」という。

 23日から11カ国20チームが集まった少年サッカー大会。愛知県一宮市から参加した一宮FCの小学6年生と韓国選抜チームとの試合中、観客席から「がんばれー」という声援が飛んだ。「慶州韓日親善交流会」のメンバー10人が、「イチノミヤ」という言葉や日本、韓国の国旗をあしらった横断幕を掲げ応援した。

 会は日本語を学ぶ市民講座のメンバーらにより5年ほど前につくられた。普段は週に1回のペースでひらがなやカタカナ、相撲、茶道、華道といった日本文化を学んでいる。

 慶州は新羅時代の古都として人気の観光地だが、地元スーパーでは日本産ビールだけが割引対象外になるなど日韓関係悪化の影響も見られるという。そんななか、大会に日本からの参加があると知り、「自然と応援にいこう、という話になった」と会長のキム・ホンギさん(71)は話す。

 一宮サッカー連盟の丹下金政理事長(67)は試合前に会のメンバーからあいさつを受けた。「がんばれ」という簡単な応援だったが「気持ちがよく伝わってきた」という。試合には0―3で敗れたが、丹下さんは「韓国人から応援されたのは初めて。こんな温かいもてなしを受けるとは思ってもみなかった」と話した。