日本が世界から遅れるのは、大国だからか・・・・世界の変化になぜ遅れたか 歴史社会学者 小熊 英二氏 朝日新聞 |
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2019年 03月 28日
日本が「そこそこの大国だから、変化に疎くなる」は、なんとなく分かるな〜
老大国って、やつですな(笑) 日本が破竹の勢いだった頃、老大国と言われたのは、イギリスでした。 しかし、日本が下り坂になった頃、老大国としての良さを見せ始めたも、イギリスだった。そのイギリスも、このところ、修羅場を見せていますね、 日本の修羅場はいつくるのでしょうか? 変化は必ず起こる、 どのみち、 今の政財界のトップの多くは、次の30年後はこの世にいないのだから。 3月8日の国際女性デーを機に、日本の女性議員比率の低さが報じられた。世界193カ国中165位という。 政界だけではない。2018年6月、日本経済新聞は経団連の正副会長19人の構成を報じた。それによると、19人は全員が日本人男性で、最も若い人が62歳。起業や転職の経験者はゼロ。高齢で男性だから悪いわけではないが、こんな同質集団では新発想が生まれにくい。 しかもこの傾向は強まってさえいる。動乱と民主化に揺れた敗戦後の社会はもっと多様だった。30年前の経団連には敗戦後に自分で起業した副会長もいた。昔は高等小卒の田中角栄のような首相もいたが、1996年以降に就任した首相はほとんど世襲政治家だ。政財界の同資性はこの30年で高まったともいえる。 結果的にこの30年で、日本と他国のギヤツプが目立つようになった。世界の女性議員の比率は、24年前の95年は11・3%だった。それが19年は24・3%と2倍になった。そうした変化のなか、日本の順位が下がり続けているのだ。 同じ傾向は他にもある。同性婚とそれに準じる制度は、01年のオランダが最初で、さほど昔からではない。だがその後の18年で急速に広まり、G7で導入していない国は日本だけとなった。死刑廃止も、91年の死刑廃止国際条約発効後の28年で急速に広まり、世界の3分の2が廃止か執行停止している。 この30年は、元号が「平成」だった時代だ。「昭和」が終わった89年以降、冷戦期の東西両陣営の壁が崩れて世界が統一市場となり、ヒト・モノ・カネ・情報の移動が急増した。アマゾンのオンライン書店創業は95年、中国のWTO(世界貿易機関)加盟は01年だ。そうして世界は激変し、日本はその変化に遅れた。 なぜ日本の変化は遅れたのか。一つの答えは、国内市場が大きいからだ。 犯罪社会学者の研究によると、死刑廃止は欧州諸国やフィジーーなど比較的小さい国で進み、アメリカ・中国・インド・日本などの大国では遅れている。小国は世界動向に敏感でないと生き残れないので、人権擁護や死刑廃止の国際世論にも敏感なのだ。台湾がアジア初の同性婚導入を決めたのも同じ理由だろう。 それに対し大国は自国基準に自足しがちだ。日本のGDPは世界3位で、しかも輸出の寄与率は1割台にすぎない。国内市場でそこそこやっていけるなら、変えようという動機も少なくなる。 その表れの一つは語学力だ。他のアジア諸国では語学力が高所得につながる。だが日本は国内市場依存の程度が強く、日本語だけで就職できる。経団連は18年の加盟企業調査で、新卒採用の重視項目を五つ挙げさせたが、「主体性」「協調性」などの回答が多く「語学力」を挙げた企業は6.2%、「留学経験」は0.5%だけだ。英語教育の混迷は「素人考え」の改革が原因だと専門家は述べるが、そもそも語学力の需要がない。 これは政治にも影響する。政治学者の水島治郎は、欧州政治の問題は「外国語を自在に操り世界を飛び回っているエリートと、自国を出ることなく、地元の人を相手に仕事をして一生を過ごす人」の格差だという。この30年に世界各地で顕著になったこの格差は、極右政党の台頭を招いた。だが同時に、政財界の主流は女性や外国人を含む「外国語を自在に操り世界を飛び回る人々」になり、「先進国のエリートはグローバル志向、国際協調志向」になった。世界各地の政府や企業が、人権や多様性を求める国際世論に敏感になったのもそれが一因だ。 だが日本は違う。格差のあり方も。グローバル・エリートとそれ以外ではなく、大企業正社員とそれ以外という日本独自の格差だ。そして政財界の多様性は低く、閉鎖的な自国基準を見直す機運も薄く、新興極右政党の台頭もない。 とはいえ日本にも、変化は出てきている。「草食男子」という言葉を作った深澤真紀は、日本でも若い男性は権威主義や女性差別を嫌い、同性婚やLGBTに寛容だという。こうした傾向は、アメリカで「ミレニアル世代」と呼ばれる若者と共通のものだ。 もちろん日米の違いはある。SNS世代の若者は、合理的な個人主義者で共感力も高く、非合理な差別や権威を嫌う。それがアメリカなどでは、多様性や公正を求める社会運動に結びついた。SNSを駆使して世界に広まった性暴力告発「#MeToo」はその一例だ。だが日本では、そうした動向は強くない。 深澤は、日本の若者の多くは「多様性を重視するという意味ではリベラルだけど、だからといって権力を批判したり、運動はしない」という。他人に干渉せず寛容だが、権力にも寛容で「抵抗するよりも受け入れてしまう」。「傷つくのも傷つけるのも嫌」なので、政権を攻撃する野党の方が「えらそうに批判ばかり」と映る。共感と寛容という世界の若者共通の傾向が、日本では現状維持に働くのだろうか。批判しても変わらないという無力感、現収でそこそこやっていくしかないという諦念もあるのかもしれない。 それでも変化は静かに、だが確実に進んでいる。縮んでいく国内市場に頼ってそこそこやっていける状態は、そう長く続けられない。東京オリンピックと大阪万博という「昭和の亡霊」が終わるころには、新しい動きが出てくるだろう。 どのみち、今の政財界のトップの多くは、次の30年後はこの世にいないのだから。
by nandemokoukisin
| 2019-03-28 11:23
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