人間の経済 宇沢弘文著 |
by nandemokoukisin 検索
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2017年 08月 08日
おもったより、やさしく読める本でした。数学入門を限りなく読みたくなりました、あの、苦手な、にがてな数学をちょっと、克服してみたい、気持ちになりました。
公害にも取り組んだ、稀有な学者だったんだと、改めて、感じました。 <抜書> ・ベトナム戦争は、関わった人間一人ひとりの心に癒しがたい傷を残しました。 ・フリードマンが世界中にセールスして歩いた市場原理主義は、もともと学問的にも経済的にも全く無内容で支離滅裂です。人間の心やそれぞれの境遇への配慮もない、ただ儲かるかどうかを機械的に計算する、一種医師のコンピューターのようなものです。その行き着いた先がサブプライムローンであり、その破綻でした。 ・第二次世界大戦後に始まったパックス・アメリカーナ、そしてこの三十年ばかり、世界各国で起きている問題のほとんどは、アメリカにとって都合の良い考え方を他の国々に押しつける姿勢によってもたらされました。市場原理主義はその最大の象徴であり、今はそのマックス・アメリカーナ時代の終わりの始まりなのだと思います。 ・イギリスの軍隊はインドを守るためにあるという名目で、軍事費のかなりの部分をインド政府に負担させていた。つまり、世界で一番貧しい国が、世界で一番豊かな国の軍事費・国家公務員の年金を負担する、それがマックス・ブリタニカの過酷さを象徴しています。 ・ケインズがが1936年の「一般理論」で使ったinvoluntary unemployment(非自発的失業)と言う言葉は、働きたくても働けない、あるいは健康に不安によって仕事が見つけられない、そういう状況を一般理論のコアに据えたもので、その原点はベヴァリッジの著書にあるのです。 ・当時は、日本からアメリカへの輸出が非常に多くて対日赤字が蓄積する一方、ベトナム戦争後のアメリカの財政赤字は天文学的な数字に出していた。アメリカはその原因は日本の社会構造にあると強調して、日本政府に対して10年間で430兆円の公共投資を迫ったのです。しかも、公共投資は日本経済の生産性を上げるようなものには一切振り向けず、ほとんど無駄なことに使えと言うことでした。しかもその後の1994年、まだ足りないと言うことでさらに200兆円を追加している。10年ちょっとの間に630兆円という巨額の公共投資を日本政府がのんだとき、私は一体どういうことか暗然とすると同時に、経済学者として恥ずかしくなりました。 ・アメリカの要求による630兆円の公共投資がもたらしたのは、現在目にするような惨憺たる地方のありさまです。地域の医療、経済、社会あるいは自然など、さまざまな社会的共通資本が徹底的に破壊されてしまい、そのことが、かってないほど重い負債となって日本人の肩にのしかかっています。 ・本来リベラリズムとは、人間が人間らしく生き、魂の自立を守り、市民的な権利を十分に享受できるような世界を求めて学問的営為なり、社会的、政治的な運動に携わることを意味します。そのときいちばん大事なのが人間の心なのです。 ・ジェイコブズは自分の足でアメリカ中を歩き回り、住みやすくて人間的な魅力を備えた街並みがまだ残っていることを発見し、それらの街並みに共通する特徴を探し出して「ジェイコブズの四大原則」としてまとめました 第一の原則は街路は狭く、折れ曲がっていて、各ブロックが短いことです。第二の原則は、都市の各地区には、古い建物ができるだけ多く残っているのが望ましいと言うことです。第三の原則は、都市の多様性についてで、都市の各地区には必ず二つかそれ以上の働きをするようになっていなければならない、と言うものです。あくまで自然発生的であるべきだと主張しました。第四の原則は、都市の各地区の人口密度が充分高くなるように計画するのが望ましい、と言うことです。 ・私が選考試験の結果をトレースしてみたところ、成績上位で入学してくる生徒のほとんどが、その後、学者としては全くだめでした。そうかと言ってあまりに出来が悪いのも困るので、ある基準以下をカットして、点数の悪い順からとってみたら、優秀な学生が集まるようになったのです。 ・あれから六十年以上経った今でも、僕は無量(数には限りがない)、人間はいつも謙虚な心で問題に当たるべきだ、そうした末綱先生にの教えは心に残っています。
by nandemokoukisin
| 2017-08-08 09:48
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