日曜に想う 朝日新聞 編集委員 福島申二氏 |
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2017年 07月 19日
ちょっと前にコラムですが、印象に残ったので、投稿します。
好きな、ソローも、中野孝次さんも登場しますが、自分は本質が分かっていないんだなと・・・・反省 「森の生活」から聞こえる太鼓 一昨年の7月に亡くなった哲学者の鶴見俊輔さんから、一度だけはがきを頂戴した思い出がある。10年前、胸に響いた言葉についてお尋ねしたことへの、短いが親切な返信だった。 「太鼓の音に足の合わぬ者をとがめるな。その人は、別の太鼓に聞き入っているのかもしれない」 もとはソローの「森の生活」にある一節を、かつて鶴見さんが自分流にそう訳して話していたと、作家の故中野孝次さんの本で知った。心に残ったので、それは何かに書いたものですかと尋ねた。返信には、安保闘争さなかの1960年に月刊誌に寄せた文中の言葉だとあり、調べてみると、少し異なる表現だったが冒頭の題辞して置かれていた。 鶴見さんの名訳には中野さんも感銘をうけて、皆が一つの太鼓に足を合わせたファシズムの時代を引き合いに、自分と違う人間の存在を認める心を持つことこそが友愛の出発点だと述べていた。 ささやかな記憶がふとよみがえったのは、この12日が思索家ソローの生誕200年と聞いたからである。アメリカの片田舎で小さな湖水を隣人として暮らし、「森の生活」を書いたソローは隠遁者としてのイメージがつよい。しかし骨太な反抗者でもあった。奴隷制度やメキシコを攻めた戦争を批判して納税を拒み続け、投獄されたこともある。 誰かが税を立て替えて払ったので、意に反して一晩だけで釈放されたが、のちに次のような言葉を残している。 「人間を不正に投獄する政府のもとでは、正しい人間が住むのにふさわしい場所もまた牢獄である」(飯田実訳「市民の反抗」から)。良心にもとづく権力への不服従という思想は、ガンジーやキング牧師らに大きな影響を与えてきた。 それから時は流れたが、個々の人間の良心が権力によって弾圧される非道はいまも地上から消えることがない。ここにきて、長く獄中にあって末期がんを病む中国の人権活動家、劉暁波氏(61)の深刻な事態が世界に報じられている。 祖国の民主化を求め続け、7年前に獄につながれたままノーベル平和賞を受けた人である。妻の劉霞さんが当時、当局を批判して「夫のたった1本のペンを怖がっている」と語っていたのが記憶に残る。中国の体制は今もって、一党独裁の太鼓とは進う音を鳴らす者も、それに聞き入る者にも寛容になることがない。 劉氏に一つ明かりがあるとすれば、国際社会のまなざしが注がれていることだろう。世界には、その存在すら知られない受難者のほうが圧倒的に多い。 〈みんなとは違う考えを持っている/ただそれだけのことで拘束され/誰にも知られず誰にも見えないところで/問答無用に倒されてゆくのはどんな思いだろう〉。これは茨木のり子さんがアムネスティの人権報告に寄せた詩の一節だ。 私たちのまなざしは、おそろしい暗黒と絶望に沈む人たちの明かりとなりうるか?。「灯」と題する詩はそれを問うているように読める。悲劇を止めうる国際世論もまた、一人ひとりの微細な良心の集合体にほかならない。 ソローは若いとき、大学を出て小学校教師になった。しかし当時は当たり前だった鞭で児童を打つ教育方針を拒み、非を訴えたが受け入れられずに職を去っている。お偉方の鳴らす太鼓の音に足の合わない先生だったようだ。 鶴見さんも、60年安保のときに岸内閣の採決強行に抗議して国立大学である東工大の助教授を辞している。どこかソローの遠い残影を重ね見る思いがする。 ソローは、良心の声に従う個人の自由と権利を尊重せよと主張した。つきつめて言うなら、彼の尊ぶ良心とは、必要なときには権力や権威に向かって「王様は裸だ」と叫ぶ気骨かも知れない。 ひるがえってこの国を見れば、追従と忖度太鼓が陰気に響く政官界である。まれに気骨を見せる者がいれば封殺の手が伸びる。そうした中、あすは国会で、「あったものをなかったことにはできない」と言う元官僚が質疑に答える。 共鳴する世論が小さいとは思わない。 追記 2020/05/25 なんかの拍子で、この投稿を読んでくれた方がいて、3年前のことですが、 追従と忖度太鼓が陰気に響く政官界である。まれに気骨を見せる者がいれば封殺の手が伸びる。そうした中、あすは国会で、「あったものをなかったことにはできない」と言う元官僚が質疑に答える。 共鳴する世論が小さいとは思わない。 が、少し響いてきた感じですかね、今日の内閣支持率を見ると。
by nandemokoukisin
| 2017-07-19 22:47
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