薬剤師は薬を飲まない 宇多川久美子著 |
日本全体が、薬離れしたら、多くの方が健康になり、日本の医療費も削減できるのではなかろうか!
・「薬と一生のお付き合い」ということは、つまり薬を「命の限り飲み続ける」ということ。すなわち薬が病気を治すものではないということです。世の中には「薬で病気が治る」と誤解されている方が多いようですが、慢性疾患においては、「薬は症状を抑えるだけ」のものなのです。
・普段私たちが口にする自然の食べ物と違い、薬はそのほとんどが合成物であり、体にとって異物です。異物である薬は身体の様々なところに影響を与えながら、身体じゅうを駆け回ります。
・行き先も、自分の使命もわかっていない薬は、体のあちこちで、薬を必要とするところでもしないところでも、同じようにその効力を発揮します。
・5年、10年かけて上がった血圧を、薬は2、3日で一気に下げてしまいます。それは見事な切れ味なのですが、そんな魔法のような作用を起こすということは、血圧とは別な場所で、確実に違うことが起こっているということなのです。体全体で考えると、単に血圧を下げただけで「良かった」ということには必ずしもならないのです。
・ギラン・バレー症候群になった彼女は私に、「驚異的な回復ができたのは、たぶん私が処方された薬を1つもなかったからだとも」と、確信に満ちた様子で話してくれました。
・気軽に病院に行くことができ、しかも病院に行けば土産のように必ずクスリがついてくるのですから、多くの人が薬になじみ、病気は薬が直すものという錯覚をもつようになるのも無理のない話と言えるでしょう。
・みんな知らない正常値の落とし穴、私が薬剤師になったばかりの頃、収縮期血圧の基準値というのは、年齢プラス90とされていました。年齢が高くなれば、体の状態も変化し、その変化にともない血流はあげる必要がでてくるから、年齢が上に行くほど血圧上がるものと考え、血圧が上がっても問題なしとされていたのです。
・しかしメタボ診断が広く行われるようになり、最高血圧は130以下という基準値が示されるようになって以降、年齢にかかわらず一律に、130以上あると、「血圧が高い」と言われるようになりました。
・慢性化してしまった生活習慣病を治療しようと思ったら、病気の原因となっている生活習慣を改める以外に道はありません。
・子宮頸がんワクチン、接種を受けた性交渉経験のある18歳以上の女性は、主作用をほとんど期待できないにもかかわらず、高いお金を払い、恐ろしく作用があるワクチンが打ったというわけです。
・薬で病気は直せません。薬で健康が作れません。薬の限界を感じた私は、常連となっている生活習慣病の患者さんを何とかしてクスリ漬けの生活から救出しなければいけないという使命感を持つようになりました。厚生労働省は、生活習慣病対策のスローガンとして「1に運動 2に食事 しっかり禁煙 最後に薬」と言っているので、患者さんに口頭でお伝えしました。
・正しい歩き方をすれば、それが効果的なものになると思った私は、そのころテレビや雑誌によく登場していたデューク更家氏にで弟子入りことにしました。そして弟子になってからまもなく3カ月が立とうとしたころ、私の身に奇跡が起こったのです。首も肩もガチガチになっていた私が後ろ向いて目視するとができたのです。
・薬漬けの状態を30年近く続けてきた自分が、薬を必要としない体になれた。この経験があるからこそ、私は「薬に安易に頼るのはやめましょう」「薬を常用するのはやめましょう」と伝えるだけにとどまらず、「薬は必ず手放すことができます」と自信を持って言えるのです。
・本当に病気を治しているのは、私たち自身が持っている自然治癒力です。
・自然治癒力には、身体のバランスを正常に保とうとする恒常性維持機能、傷をおった時に元に戻そうとする自己再生機能、外部から入ってくるウィルスや細菌などと戦う自己防衛機能の3つの機能があります。自己防衛機能は、よく耳にする免疫力のことです。
・薬を飲んで症状を抑え込むのは、身体が発している声に蓋をすることです。
・内科と耳鼻科と整形外科では診る場所が全然違うのに、どうして同じ薬が出されるの?例えば、風邪で内科を受診すると、喉鼻の炎症抑える抗炎症剤、最近の海図感染を防ぐための制裁、熱をサゲ、痛みを和らげる解熱鎮痛剤が出されます。中耳炎で耳鼻科を受診すると、化膿しないように抗生剤が、炎症抑えるために抗炎症剤が、痛みを抑えるために解熱鎮痛剤が出されます。骨折で整形外科を受診すると、骨折部の顔抑える抗生剤、炎症を抑える抗炎症剤、痛みを緩和する解熱鎮痛剤が出されるのです。
・世間ではグルコサミンやコンドロイチンといったサプリメントが、膝の痛み特効薬のようにもてはやされています。けれど、膝だけに届き、膝だけに作用を及ぼすようなサプリメントはこの世に存在しません。それは薬と一緒です。
・発熱は、身体が病気から身を守ろうとして、闘っている状態です。「熱が出るのは身体の正常な働き」「熱が出るのは闘う力があるから」と思えば、また違った心持ちになれるのではないでしょうか。
・胃がもたれているのは、「胃に負担のかかるもの食べないで」という身体のサインです。胃は休みたいからもたれているのです。休みたいといっている胃に、むち打つかのごとく薬を投入し、無理矢理働かせるのはなんとも酷な話です。
・抗がん剤にはいろんな種類がありますが、どの抗がん剤にも共通して言えるのは免疫を抑制する強い作用があるということです。た臓器不全でなくなるのも、粘液をされてしまった結果なのです。
・腸管の免疫システムは、免疫システム全体の60から70%を占めており、腸はまさしく身体の中で最大の免疫器官。
・腸は副交感神経が優位になっているときに動くので、十分な睡眠をとったり、リラックスする時間を作って、一日の中で副交感神経が優位になる時間をしっかり確保することが大切になります。
・薬は身体の不調を短時間で改善してくれますが、効果はあくまで一時的です。けれど、毎日の運動によって体温を上げ、代謝を上げ、免疫力をつけた身体は一生ものです。免疫力が高ければそもそも不調になることが少なくなります。
・できないことを数え嘆くのではなく、ご自分でできることから始めて、できることの数を徐々に増やしていきましょう。身体の声に耳を傾け、自分を大切にし、鍛えていけば、身体がその必ずその行動に応えてくれるはずです。