「ポツダム宣言」を読んだことがありますか? |
ポツダム宣言八
カイロ宣言の条項は履行され、また、日本の主権は本州、北海道、九州および四国、ならびにわれわれの決定する諸小島に局限される
カイロ宣言
同盟国の目的は、日本が1914年の第一次世界大戦開始以降に太平洋で奪取または占領した諸島のすべてを日本から剥奪すること、ならびに、満州、台湾、澎湖島など、日本が中国人から盗んだ領土のすべてを中華民国に返還させることである。
領土問題については、白井聡さんの、永続敗戦論に詳しい
・領土問題を決するのは、最終的には暴力・戦争であり、したがって現代日本の領土問題が従わなければならない原則とは、日本にとって第二次世界大戦の戦後処理の原則である。
・その原則は、第一義的にはポツダム宣言第八条に与えられている。
「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等決定スル諸小島ニ極限セラルヘシ
この「吾等」とは、連合国、すなわち米国・英国・中華民国・ソ連(後に加わる)であり、この吾等が、主要四島以外の日本の領土範囲を「決定」するという原則を、戦争の帰趨から日本は受け容れるほかなかったのである。
・1895年1月4日に尖閣諸島は日本の領土に組み入れられたが、それは日清戦争の真只中においてのことであった。外務省の「基本見解」は、故意かどうか知らぬが、そのことに言及していない。その日付こそ、尖閣諸島問題において決定的な意味を持っている。
これまでの戦後の歴史おいて国際的に承認されてきた領土問題についての原則に照らして、日中両者の主張にはそれぞれに分があると言わざるをえない。
・政府の問題に口出しをした、石原氏は、米国の問題が出てくると、たちまち「口出しはしない」と引き下がるようである。・・・「そのままでいい」ということは、尖閣五島のうち二島は、米軍の排他的管理下で「日本人の立入禁止」という現状を半永久的に続けて良い、ということでなのである。
・米国がソ連による千島列島の実行支配を暗黙裡に容認したがゆえに、原則からこのような逸脱(千島列島は日本領土)が生じたと見るべきであろう。ここで何より重要なポイントは、日本が千島列島と放棄することに同意した、という事実である。
・歯舞・色丹に関しては、これらが千島列島に含まれないという見解を吉田茂がだしており、説得性はそれなりにある。これに対して「国後択捉は千島列島ではない」という見解は、常識に逆らうかたちで作られた政治的こじつけにほかならない。
・サンフランシスコ講和条約締結当初の政府は、日本がすべての千島列島を放棄したとの立場をとっていたのにもかかわらず、その後立場を変更し、さらにその変更を隠蔽して国民を欺き続けている、ということにほかならない。
・竹島はカイロ宣言に言うところの「暴力及び貪欲により日本が略取した」領土であり、戦後日本が正当性をもって領有を主張出来る対象ではない。しかし、この問題がややこしいのは、尖閣諸島問題と同様に、竹島の編入が韓国の日本による保護国化と「背景として」行われたとまで言い切れるかどうか、微妙であるためである。
・竹島問題への日本政府の対応においてほかの二つと問題と異なっている点は、この件についてはだけは国際司法裁判所への提訴を積極的に打ち出しているところにある。・・・竹島問題については国際私法裁判所の検知を認める一方で、他の領土問題においてはこれに言及しないという姿勢は、ダブルスタンダードであるとの誹りを免れるものではない。