報道番組のありかた 島崎今日子さん |
途中、古舘キャスターは反論したが、こういう場合は攻勢に出たほうが有利である。古賀氏は「言いたいことは言いましょう」と言い切った。彼の発言をそのまま正しいと受けとるか否か、行動に賛同するかしないかは別として、予定調和なコメントに飽き飽きしている身としては思わず耳をそばだてた。まるでドラマ「○○妻」(日テレ系)ではないか。「○○妻」には、自由に発言できないことに苛立つニュースキヤスターと、彼と局の上部やスポンサーとの間で右往左往するプロデューサーが登場。報道とはいえ、メディアでの発言はいろんな意味で規制されていることが自明のものとして描かれていた。キャスターの正義とやらに内実がなくて、ちっとも共感できずに終わったドラマだった。
しかし、番組内でもテレビ朝日会長会見でも、古賀発言は事実ではないと否定したものの、週刊誌ではあれこれ取り沙汰されている。この際、絶好の問題提起と受け止め、番組内で時間を割いて報道姿勢やコメンテーターの存在意義などについての考えを開陳してはどうか。そういう報道番組を見てみたいのだ。(ライター・島崎今日子)