日韓:アシ舟で交流 韓国の博覧会に出展 大阪の市民団体 |
水にちなんだイベントなどを開いている大阪の市民団体「水都の会」(藤井薫代表)が、20日から韓国南部・順天市で開かれる「順天湾国際庭園博覧会」にアシ舟を出展する。アシは現地で調達し、舟は地元市民団体と共同で制作する予定だ。会員は「竹島問題で日韓関係がぎくしゃくするなか、友好を結ぶ舟になれば」と話している。
同会は、大阪をかつてのような「水の都」に再生しようと、2003年に発足。琵琶湖や淀川に自生するアシを使ってアシ舟を作り、各地のイベントで披露している。博覧会の参加は、会員が昨年5月に訪韓して順天市の市民グループと交流したのがきっかけ。アシ舟の話をしたところ、「韓国にもアシは自生しているが、舟作りは聞いたことがない。ぜひ乗りたい」と参加を請われた。
しかし、会員が準備を進めていた昨年8月、韓国の李明博(イ(ミョンバク)大統領(当時)が島根県・竹島(韓国名・独島)に上陸して以降、連絡が途絶えた。出展が実現するか心配していたが、今年3月になって開会式(19日)への招待案内が届いたという。
制作するアシ舟は、長さ約7メートル、幅約1.5メートルで5人乗り。来月1日から会員10人が現地入りし、約200キロのアシを現地調達したうえで、地元の市民団体と制作する。同3日午後にメーン会場の順天湖に浮かべて試乗会をする予定だ。
藤井代表は「古人が朝鮮半島からどうやって来たかを知るため、将来はアシ舟で日本海を渡ってみたい」と夢を膨らませている。
順天湾国際庭園博覧会は、世界有数の沿岸湿地が広がり、ラムサール条約に登録されている順天湾で10月20日まで開催。「地球の庭園 順天湾」をテーマに、生態系を生かした庭園都市のあり方を提案する。国際園芸家協会公認の博覧会で日本でも1990年、大阪市鶴見区で「花の万博」が開かれている。【北出昭】