四姉妹と呼ばれて コシノジュンコさん 朝日新聞から |
自分の夢を私たちに託し、私たちが成功していくことが大きな楽しみだった。我々が前に進むとお母ちゃんもそれに負けんよう進む。しまいに作家の藤本義一先生に「コシノ四姉妹」と呼ばれました。
お母ちゃん、74歳で初めて自分のブランド出したんですよ。ところがねえ。どれも私らのデザインのパクリなんですよ。私たちは姉妹であるがゆえにがんばって、絶対ジュンコのまねせんとこ、とかね、自分のオリジナルを追求することに全てを賭けてがんばってきました。3人ともまったく違った作品をつくってる。「それなのに、お母ちゃん、どういうこと」って問い詰めたんですよ。
「私はあんたらを産んだという特権を持ってんねんから、まねをしようとどうしようと私の勝手や。私にとってはあんたらがオリジナル。あんたらのオリジナルは私のオリジナルやねん」て、けろっとしてる。あきれましたよ。
でもね、さすがなのは、それぞれの一番良いところをつかんでコピーしてることでした。それをまた、うまいこと高齢者向けのデザインに生かしてた。
「あんたらはまだ、その年齢対象のデザインをするわけにいかないから、私がやったる。任しとて」。この口説き方がすごかったですね。そう言われればありかたいことやな、と。さすが親やと思いました。