建築家伊東豊雄さん 朝日新聞 |
「縁側で隣の人と話し、将棋もしたい」 「炊事のできる求きのストーブで、おばあさんを元気にしたい」。希望を聞いて設計した家は、ありふれた木造の平屋になった。
「自然とともに住む、人とともに住むことを理想とすべきだ」。宮城野や釜石での試みが小さくても歯車を動かす仕掛けになれば、と考える。
震災後、伊東は振り返って思う。「建築家は論理がすべてに優先するという立場で、利用者の具体的な要望を無視して新しいものをつくりがちだ。そうした姿勢が、社会からの孤立につながっている」