復興構想会議 御厨 貴氏 発想柔軟 政治介入もなく |
政治の介入はなかったといえる・自民党政権だったら。例えば特区などで政治家が口を出しただろう。今回は首相も民主党も我々に丸投げした半面、口も挟まなかった。自民党も「菅さんの仕事」とノータッチだった。官僚も腰がひけていた。私が以前、加わった追悼・平和祈念懇談会で官僚が信念と自信をもって議論をリードしていたのとは様変わりだった。
考えてみれば、自民党政権下ではあり得ない審議会のあり方は、万事にゆるい民主党政治やビジョンが定かではない今の時代にふさわしいかもしれない。震災後の国のあり方といった大きな課題は、狭い領域に特化した専門家だけでなく、素人が入って議論するほうがよい結論に至るのではないか。
政治家や官僚が弱体化している現状は素人が政策に関与する好機。今後、エネルギー問題などを考える際にも生かせると思う。
とはいえ政治の関与が弱いため、提言の実現に危うさがあるのも事実。民主党はしっかり受け止め、確実に実現してほしい。社会を変革するのはあくまで政治。それは自民党政権だろうと民主党政
権だろうとかわらない。