なぜ原子力情報は公開できないのか 武田VS原口 |
●事故を教訓として生かそうとしているのか
武田:僕は大学を卒業し、旭化成工業という会社に就職しました。そして、その会社ではこのように教えられました。「自分の目の前でボヤが起きれば、まず119番しろ」と。最初に上司に連絡するのはダメでした。なぜかというと「私たちが仕事をしているコンビナートは社会の一員だから、119番に電話しないさい」ということでした。
原口:なるほど。
武田:119番に電話したあと、会社が運営している消防隊に連絡しなければいけませんでした。そして最後に連絡するのが、上司。僕が入社する前に、石油コンビナートの事故が起き、みんなが反省しました。コンビニナートが爆発すれば、企業だけでなく、社会の問題だという認識があったのでしょう。つまり私企業だけの問題ではない、ということ。だからボヤが起きれば、まず119番に連絡しなければいけませんでした。
静岡県のお茶から高濃度の放射性物質が検出されましたが、箱根の山を越えて、神奈川県の数値より高いのは本当なのでしょうか。ある静岡県の人はこう言っていました。「今は福島第1原発のせいにされていますが、ひょっとしたら浜岡原発で起きたトラブルが原因かもしれない」と。
放射性物質の中身を調べれば、何によるものなのか、いつのものなのか、が分かります。今、静岡県のお茶から検出された放射性物質を調査しているところです。【土肥義則,Business Media 誠】
最初のころは、放射能物質の濃度は、静岡県は低かったはずですよね。でも、考えられることですね、こういうことが疑心暗鬼となって広がっていく。
浜岡原発だけを止めたということは、こうこうことも考えられるということでしょうか?