会社のしくみは変えられますか? 鈴木 貴博著 |
現代の多くの大企業経営が難しくなった。環境変化の多くは、ITが引き起こしているということです。経営はますます難しくなってきて、経験と努力だけでは業績を良くすることは難しい。そこに才能が加わってもまだ足りない。
六つの変化
1.大企業と中小企業の優位性の変化
2.川上川下の取引先が経営に与える影響力の変化
3.価格ピラミッドの2極化と製品力の変化
4.選択肢の増加に伴う、設備投資判断の複雑化
5.情報過多による見えない化というITの副作用
6.人と組織のつながり方の変化に
大企業であることは有利ではない。大企業であることが有利な構造の崩壊。
ピラミッド型プライシングモデルでは、松竹梅のランクの内、竹が、企業にとっていちばん利幅が多い設定となっている、
IT投資を効果的に行うには、差異化IT投資と汎用品IT投資をバランスよく行うことである。
価格の仕組みを理解して、汎用品IT投資と差異化IT投資を使い分けられる企業がチャンスを手にできる。
差異化のIT投資のキーワードは、リアルタイム、可視化、連帯
アップルコンピュータの発想、iPodシャフル 冷静に考えれば、液晶パネルがないということ自体、結構なコストダウンにつながっています。新しい提案として消費者に受けて、斬新なイメージとしてデザインが良いように受け取られた上で、製品としてもコストダウンされているわけですから。いいことだらけです。
ここで注目してほしいのは、トレンドセッターとしてのアップル社と、賢いコストカッターとしてのアップル社が、共存していることです。
ITがもたらす副作用
1.必要な情報を区別できなくなり、大量の時間が奪われ、
2.必要以上の情報洪水が起き、見えない化現象が起きる。
3.さまざまな効率化の結果、次々と新しいボトルネックが出現しては移動する。
見えない化の解決レシピ ①単純な見えない化は管理会計の見直しで解決②ホワイトカラーの見えない化は、BPMツール(ビジネスプロセスマネジメント)で解決するしかない。
サーバントリーダーシップというのは文字通り、リーダーが召使いのようにして、部下に役に立つことを意味します。リーダーが召使いだというと、何か変に思えるかもしれませんが、間違いではありません。
だから上司は指導する代わりに相談相手になります。部下に質問をしながらどのような課題に直面しているのか、どのような点が問題なのか聞き出していきます。
あまりの困難な状況に部下が萎えるえそうになっていたら、精神的に支えてあげるのも上司の役目です。部下は上司のクライアントつまり、顧客同然の存在になっていきます。部下にいい仕事をしてもらうのが上司の役目なので、部下必要とするときにはいつでも上司は部下の役に立てるように頑張らなくてはなりません。(引用以上)
なんでシステムを導入すれがするほど、忙しくなるのか?大企業が有利なのか?と言う指摘も大変面白いし、現実プラズマ、液晶の世界でも内外の中小企業の安いテレビが現実化しています。この本の面白さは、ITの副作用と、これからの上司部下の関係であるところにあると思いました。