震災下の新メディア 救援の道具として生かす |
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中井さんの手記にある、「災害においては柔らかい頭はますます柔らかく、硬い頭はますます硬くなる」という実感のこもった一文と、彼女の行動が重なる。
今回の大地震で、ツイッターやブログなどの新しいメディアが被災者救援に果たす役割は大きい。私自身、電子書籍の無料公開も、サイン本を売って収益を義援金にあてようと作家の島田雅彦さんが呼びかけすでに約70人が賛同する「復興書店」の試みもツイッター経由で知った。
一方で、インターネット上に流れていくさまざまな言葉を拾い読みしていると恐ろしく感じることもある。白か黒かを即座に見極め、真偽を確認する前に雪だるま式に情報が広がっていく。これまでにない大災害を経験して、そのスピードはさらに加速しているようだ。
カナダの作家マーガレット・アトウッドさんの言葉を思い出す。科学技術がもたらす悪夢が広がる世界を描くことの多い彼女は、実生活ではハイテクを忌避せず、70代になった今もツイッターを使いこなす。不思議に思い聞くと、「ハンマーを使ってものを作れるし、人を殺すこともできる。テクノロジーとはそういうもの」。あたりまえのようだが、中井さんの言葉とともに心にとめておきたい。