尖閣問題のコメント 朝日新聞 |
天野祐吉さん
映像の公開は、むしろ健全な行為だったんじゃないか。激変するメディア環境に政治家は鈍感だ。ネットという「口コミ」も発進した時代には、情報を隠すのは難しいし、逆に情報不足が社会不安を生みかねない。その点で問題の映像を隠す意味は全くなかった。国家の存亡にかかわるものでなければ情報は積極的に公開されたほうがいい。一方でマスコミも十分な役割を果たせなかった。特にテレビは流出映像を繰り返し流すばかりで、非公開の理由を政府に問いただす姿勢に欠けた。流出は、政府やマスコミヘの庶民の不満を代弁する形で起きたとも言える。