誰も知らないイタリアの小さなホスピス 横川喜正著 |
しかし、なかなか、示唆に富んだ本で、この本が話題にならなかった(私がしらなかっただけ?)のがおかしいとまで思えました。
・ホスピスで迎える最期は、その人間の人生を凝縮してみせると、アンナからよく聞かせてきた。一番元気だった頃の自分と進退極まった自分とが、合わせ鏡のようにその生き様を映しだす。不安と絶望に苛まれる自分など、およそ取り繕えるしろものではないと思うだけに、恐い話である。
・高齢化がピークを迎え、いわゆる団塊の世代がいよいよ人生の最終ステージにむかう、十数年後、今日本にある病院の半数がホスピスにとってかわりそうな予感がある。なんらなかの事故や病を得て死を迎える最終章を、チューブにつながれた状態ではなく、終を自ら納得して受け入れ、自然に逝きたいと願う人々が、確実に多くなると思われる。
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