赤めだか 感想文じゃない、とりあえずの抜き書きです |
・「坊や、よく覚えとけ、世の中のもの全て人間が作ったもんだ。人間が作った世の中、人間にこわせないものはないんだ」
・「よく芸は盗むものだと云うがあれは嘘だ。盗む方にもキャリアが必要なんだ。盗めるようになりゃ一人前だ。いいか、落語を語るのに、必要なのはリズムとメロディーだ。それが基本だ。」
・「あのなあ、師匠なんてものは、褒めてやるぐらいしか弟子にしてやれることはないのかもしれん、と思うことがあるんだ」
・「いいか、オレはお前を否定しているわけではない。進歩は認めてやる。進歩しているからこそ、チェックするポイントが増えるんだ。」
・「先へ、次へと何かをつかもうとする人生を歩まない奴もいる。俺はそれを否定しない。芸人としての姿勢を考えれば正しいと思わんがな。つつがなく生きる、ということに一生を費やすことを間違いだと誰が云えるんだ」「まあ、ゆっくり生きろ」
・「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱みを口であげつらって、自分のレベルまで、下げる行為、これを嫉妬と云うのです」「現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う」
・「他所はいろいろあるが立川流はなれ合いは好かん。俺は内容でお前達と接する。形式は優先しないのです。」
・師弟関係は恋愛にたとえるのが一番わかりやすい。という談四楼師匠の言葉を談春は思い出した。
・「覚えるのはかまわん。だが、それは芸ではない。覚えただけ、しゃべれるというだけなんだ」
・重ねて云うが、談志は揺らぐ人なのである。・・・形にならない部分をどんな知恵で補ってくるのか、を談志は試しているのではないか。談志を喜ばす知恵を絞れない弟子は、やっぱり罪だと思う。
・藤原氏が「相場の神様ってやっぱりいるんです。相場の神様は、人を出し抜く、ずるさを主とした才能は許さないんですよ。」「人生で、勝ち逃げ、只もらいは絶対に存在しません。負ける時にはみんなで負ける。ただし勝ちにまわった時に他人より多く勝つ。その差ですね。分かれ目は」
・さだまさし「談志に憧れるは勝手だがつらいだけだよ。談春は談志にはなれないんだ。でも談春にしかできないことはきっとあるんだ、それを実現するために談志の一部を切り取って、近づき追い詰めることは、恥ずかしいことでも、逃げでもない。談春にしかできないことを本気で命がけで探してみろ」「そんなら早く真打になれ・そこがスタートラインだろう」
・稽古の仕方、進め方が談志とそっくりだったのである。小さんが談志に教えたものを、同じやり方で談春は教わってたんだ。そう、実感できたら、何故かたまらなくなった。
・そして驚くべき台詞を残した。「ところで花禄、談春って奴は、志らくって奴とは別々なんだな」
・「葬式、つまり儀式を優先する生き方を是とする心情は談志の中にはないんです。そんなことはどうでもいい。何故なら・・・談志の心の中には、いつも小さんがいるからだ」
最後まで和解?することはなかった、談志と小さんですが、なにかほのぼのとしたものを感じると同時に、もう少しの勇気で、すっきりしたのかと思うと残念でもあります。
今度、談春さんの口座を見て、また感想を書いてみたいです。