なかなか、的確なコメント 英フィナンシャル・タイムズ |
国内では民主党が政権を奪取してわずか8ヵ月しかたたないのに政権交代は期待はずれとなりつつある。
経済的には、政吸口脳は運幽論者さながらデフレを受け入れている。名目国内総生産(GDP)の下落は日本の相対的な経済の没落を加速させた
しかし日本人の多くは、威厳ある没落と優雅な孤立という考え方になじんでいるふうに見える。多くの日本人は世界から距離を置いて何が悪いのだと考えている。
確かにそこには魅力的な部分もある。この国は国際テロの被害を免れてきた。貿易摩擦もかなり免れてきた。巨額の貿易黒字と、大量の米国債を保有しているにもかかわらず中国が経験したような激しい批判からは無縁だった。仕事と貯金のある日本人にはデフレさえたまものだ。
日本はこれから数十年、快適で、羨望(羨望)の念すら起こさせる老衰ヘの港をゆっくり進むのだろうか。このシナリオには少なくとも2つリスクが伴う。経済的には過去20年にわたり、日本は貯蓄を国家財政の赤字補てんに充ててきた。しかしそれを無限に維持することは高齢化が進み、貯蓄額が減るにつれ不可能となる。
地政学的なリスクもある。日本はほとんどすべての近隣国との問に領土問題を抱えている。同盟国・米国との最近の外交摩擦の原因は、米軍海兵隊基地をどこに移転するかを巡るものだ。ただ底流にあるのは「不安定で危険な世界に真正面から向か合おうとしないに日本に対する米国政府の積もり横もった不満だ。それだけで日本の優雅な孤立が持続できないとはいわないが、それがひたすら快適なものになるという保証もないのだ。 (4月16日付)=英フィナンシャル・タイムズ特約