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少子高齢化の影響はないだろうか。「とても食べきれない」。パック米飯を販売する加ト吉は高齢者の声を生かし、標準の200㌘と少量の150㌘を用意することにした。量が減れば値段は下がる。
日本の消費者はデフレ慣れしている。第一生命経済研究所の鈴木将之氏の試算によると、個人が予想する
1年後の消費者物価上昇率は平均でマイナス0・6%となった。日本経済がにわかに好転しないとみる消費者は「巣ごもり」を続ける。
09年の名目個人消費は年率281兆〜283兆円の規模で推移しており(03年並みの水準にとどまる。
鳩山由紀夫政権は企業より家計への支援を重視する。しかし企業の収益が伸びなければ、国民生活に重要な雇用や所得は増えない。将来への不安を解消できぬまま、家計の負担だけを軽くしても、消費は回復しないかもしれない。新政権が描くデフレ脱却のシナリオは心もとない。