株価低迷20年の重さ |
少子高齢化は、上場企業そのものにも当てはまる。
今年の新規株式公開(IPO)はわずか19社と31年ぶりの低さ。東証1部の上場社数は2007年にピークアウトしている。次世代の主役候補が育っていない。
経営学者ピーター・ドラッカー氏は33年前の著書「見えざる革命」で、産業の老化を避けるため年金が一定額をベンチャー投資に振り向けるべきだとした。
米欧年金は忠実にこれを実行するが、日本はほとんど無策。ベンチャーキャピタルは干上がり、新産業育成
のパイプが途切れている。米国は今年、IPOの当たり年だという。FTSEのIPO指数は年初から亜%高。最大のヒットといわれるのが米国資本の入った中国企業、多元環球水務公司。水処理技術で急成長している。金融危機が直撃したと思えない躍動感だ。
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20年といえば、企業で働く人の半分を株安しか知らない世代が占めるということだ。国の借金はこの間に4倍に膨らんだ。こうした閉塞(へいそく)感こそが政治に変化を求めたマグマだ。目先の痛みを和らげる分配論ばかりでなく、日本を再設計する成長戦略が必要な理由はここにある。