思考するカンパニー 熊野英介著 読書感想文 その2 |
・こういう思いを同じくする人たちこそ、私はカンパニーだと思っている。そして、こうした仲間とともに企業を超える有機的なカンパニーを創っていきたい、。
・「ない」ということに気づき、何があるかを考えてみる、あるのは「人」だけだ。人の価値がバリューを上げて、文化力で経済を動かす、日本にはそれしかない。実際日本が誇れるものはすべてそういうものである。茶道,華道、盆栽、武道、そして現在、海外で人気のある日本製のアニメやマンがなどすべて人の力によるものだ。そこから組立てたら、経済も、人の力でバリューを上げる資本主義になっていく。つまり無形固定資産だ。
・利他的ニーズを集める実験 利他的ニーズが量的に十分なレベルまで集まる。それに賛同するコミュニティーが成立すれば、時間的にも十分な展望が持てる。儚い--不確実な--利他的ニーズが、量的にも時間的にも把握できれば持続可能なニーズとなり、ダイナミックな先行投資の対象となりえるのだ。
・人だからこそ値打ちがあるのだ。「人は、人を認めてこそ人である」という、そういう可視化モデルを作っていきたいのだ。
・原理原則主義で行動できる意志の強い者ばかりが人間ではない。多くは、精神的に「弱い者」なのだ。一人ひとりの利他的行動は脆くても大勢の人間が集まれば質的にも量的にも確実性が増す、さらに多くのの人が参加して、その相乗効果で一人ひとりの利他的行動の時間も長くなる。こうした利他的行動を、量的、質的に把握できるようになれば先行投資もできる。先行投資ができれば、規模の拡大や質の向上も加速化できる。
・人間関係の持続性を最優先と考え、物資的豊かさから精神的豊かさを求め、今こそシフトする勇気を持って、私たちは立ち上がらなければならない。
この熊野英介さんは、信頼のファンドを作ろうとしています。
信頼関係は資本を形成する。
モノやサービスの恩恵を受ける有形の経済が発展しつくしたものの、人間は果たして幸せになったか。むしろ、その奥に真の幸福の別の形があるように思う人が増えていないだろうか。
有形の正反対、すなわち無形の資産。その核心となる部分に「信頼」がある。これを社会的な事業として広げる取り組みが始まった。環境コンサルタントのアミタ(東京)を経営する熊野英介さんが個人的に資金を出して公益法人「信頼資本財団」 (同)を作った。