中村安希(なかむら・あき)さん 朝日新聞 広告欄より |
野宿することもあり、体調を壊すこともあり、もちろん楽な′旅行であるはずはないが、私たちが勝手にイメージするような危険の連続などということはない。体験した多くは、その土地土地で穏やかに懸命に暮らす人々の優しい営みだった。
「旅しながら、女性であることの強みに気づいたのですね。男性のように強がって王道を行くと危険なこともある。でも、女性たちの中に入っていけば、怖いことなど何もないのです。
本当は世界中に、日本人の優しさ、あいまいさを愛してくれる人はたくさんいる。だから欧米の標準に追いつこうと肩ひじ張ることはないんですよね」
なかむら・あき●1979年京都府生まれ。2003年カリフォルニア大学アーバイン校舞台芸術学部
卒業。日米における3年間の社会人生活を経て、06年ユーラシア・アフリカ大陸へ旅行。各地の生活に根差した“小さな声叫を求めて4 7カ国を巡る。0 8年帰国。国内外にて写真展、講演会を行う傍ら、世界各地の生活、食料、衛生橋場を取材している。著書に第七回開高健ノンフィクション賞を受賞した『インパラの朝ユーラシア・アフリカ大陸684日』(集英社)がある。海外情報ブログ「安希のレポート」