梅沢由香里さんの読書日記 |
『生かされて。』人イマキユレー・イリバギザほか著、塩江実訳、PHP文庫)。ルワンダで起きた民族紛争の中、トイレに3カ月も身を隠し奇跡的に生き延びた女性の現実の物語だ。素晴らしい両親と兄弟に囲まれて育った彼女は、「悪魔」に心を奪われた人々に家族を殺されるという過酷な運命に見舞われる。だが葛藤しながらも殺教者を許し、前向きに生きていく。
悲壮感はない。読後には勇気と力強さを得られたように感じた。心には時に相反する2つの気持ちがある。どちらを選択するにしても、選択したい気持ちになれる方法をこの本は教えてくれる。