「人の魅力」 秋山仁さん マチュアという冊子から |
は枚挙に暇がない。だけど、逆に刑事コワンボ』や『男はつらいよ』『スラック$ミリオネア』『ミリオンダラトベイビー』『家政婦は見た』『プルトラザーズ』『相棒』等々のように、容姿や能力については、普通の人物が、その人ならではの魅力を発することにょって、多くの人々を魅了した作品も沢山ある。
こういう作品を通して今まで気付いたことがなかった人間の魅力や可能性を発見できることが、映画や本の醍醐味である。
見た目の美しきやカッコ長さ以上に、心の温もりや優しさ、正義や勇気」知性やウイット、茶目つ気、人懐っこさだったり、人を腰きつける人間の特性は多種多様だ。
とこるが、若い人たちを見ていると、人間の魅力や幸せを狭く定義しているように感じる。「本当は自分が何を
好きで、どういうもの、どんな人に安らぎや楽しさを感じるのか、どんなものにエネルギーを注ぐことができるのか」(一言でいうと〝自分らしさ″)を見極めようとせずに、自分にとって本当は意味のないものをいたずらに追いかけ紆り、無理をしている。その結果、自分の行きたい方向を見失ってしまっている人が少なくない。
才能や運もさることながら、脇役と言われても決してひがまず、いじけずに頑張り続けた素直さや大らかさだ。〝人が好き、芝居が好き″と〝好き″に裏打ちされた執着心、さらに一番好きな道を選んだのだという覚悟や潔さ、こういった事柄が、たくさんの人に愛され、応援された原因ではなかろうか。
マチュアな人とは、人間の魔力を多様に感知する感性をもち、他人を羨むことなく、常に不可能に挑戦し、時に失敗しながらも、自分を励ましたおやかに対応しながら、自分を自分らしく輝かせていくことができる人に違いない。