衣食住の細部に価値 西垣通 東大大学院教授の提案 |
そして今、パソコンやインターネットが出現し、情報は圧倒的な量になった。その情報は、だれにでもわかるようにデジタル化、数量化が進み、何が主流かが見えやすい。
「膨大な情報を前に、個人は一つひとつの項目を自分で決定するストレスから逃れたいと感じる。それで、大勢を占めるだれかの判断に従ってしまいがちになっている」。生物の生存本能が必要だとささやくレベルとはけた違いの「もっと」をどこまでも求める欲望の巨大な渦が、人間をのみ込んでいる。このシステムを、西垣さんは「練金メガマシン」と呼ぶ。
多くの人に苦しみをもたらすまで、止められなかった鍍金メガマシン。しかし、西垣さんはその破綻を頭を冷やすチャンスでもあるという。
「数字となって際限なくふくれあがうた欲望を辞めることは、あのままでは無理だった。大きい会社に入れても、たくさん貯金があっても、安心できない。そう実感できる今なら、お金以外の価値を思い出せるかも知れない」とは言え、すべての欲望を断ち切るのは無理。「生存に必要なだけで十分だと『諦め』れば、安心立命は得られるはず」と西垣さん。
では何を優先し、何を諦めるのか。「その判断基準を共有できる気の合う仲間と一緒に、ゆったり生きればいい。グローバルよりローカル。金融市場の数字より、衣食住の細部に深い価値を見いだし、充足感を味わうのが、生物である人間の本来の姿でしょう」
コンピューターに、複雑な情報処理を任せれば」もっと大きなことができると人間は夢見た。だが、「生命力」を
軽率にデジタル情報に還元すればどうなるか。「人間の本質はすり減るだけ」。西垣さんはそう憂う。
一方で、コンビユ」ターが私たちの生命活動を支援し、活催化するような使い方もあるはず。「パソコン時代のように『個人』単位の思考を補助するのではなく、人間全体の『集合知』を創り出すような……」。その具体像を、見てみたい。
この方は、「コズミック・マインド」という小説も書いいます、是非、読んでみたいと思いました。
欲望を諦めて、衣食住の細部に価値か!これが、最先端の情報科学を学んだ方の発言かと思うと重みがありますね!