大機小機 政府と企業の責任分担を見失うな |
まっているぺ選挙を意識してか、オリックスが日本郵政の「かんばの宿」を競争入札で
落札したことについて、オリックスの宮内義彦会長が規制改革会議議長だったのを理由
に総務大臣が取引の中止を強く求める異常事態も生じている。かつて政治家の利権のた
め国鉄に赤字路線を建設させたように、今も政治家は民間企業が政府の言いな灯になる
べきだと考えているのか。世界同時不況のなかで、日本企業は生き残りをかけてい
る。生産の落ち込みで解雇された労働者の生活を支え、教育・訓練のための費用を賄う
のは雇用保険の役割である。そのために五兆円もの積立金もある。このまま政治の貧困
が続けば、グローバル化が進む世界経済の下で、製造業が次々と日本を見捨てる日は遠
くないであろう。(吾妻橋)