途方にくれて人生論 保坂和志著 |
今回はどういうわけかスムーズに読めています。
・わたしには長く感じられる時間の方こそが人生の本質というか、<人生の素顔>のようなものではないかと思えるのだ。
・一日の大半は家の中で一緒に暮らしている猫を見ている。そういう日々が続いていると、これが<人生の素顔>なんだなと思う。
・人生とは自分が生きることではなくて、人によって生きられるものではないか。それも傑出したヒーローではなく、自分のような人によって生きられる。
・図書館はどうしても手に入らない本を借りるところだ。本といったら借りるものだと思っていて手元に置かない人は、知識への愛は育たないし、当然身につかない。
・最近空気が読めないという言い方があるが、あのときの彼こそ、「場の空気が読めない典型」だったというわけだ。しかし彼がいなかったら私たちは、軽いノリの話に終始していただろう。
・人生」とか「人生の意味」なんて、問題が大きすぎて、人生を一回しか経験することのできない人間に答えられるはずがない。
・自分の生きている時代をただ楽しいと思っていられる人は、その時代に適合した内面しかもっていない。時代が求めるもの以上の遠いところかを見ているからこそ、その人は生きにくいと感じることができる。
・若いというのは、その不安さを含めて、本当にかけがいのないものなのだ。