バリアフリーは人を善良 にする力がある 日経 |
夫が残した手記から、次の言葉を紹介した。
「障害を負って)よかったこと、『ありがとう』が素直に言えるようになったこと。多くの人に支
えられていることを実感できるようになったこと。人は善良な人が多いと思えること。そして、
バリアフリーは人を善良にする力がある」
叔父が言う、バリアフリーがもたちす「善良」さとは、八月六日のブログに書かれていたよう
な、絶望をひっくり返して現状を肯定したときに現れるような、強靭な善良さのことだろう。
そのような意味での善良な人が具体的にどんな人たちかを、叔父は自らの葬儀の場で、
身をもって教えてくれた。私が感じた、この集まりを包む熱こそが、「善良」の正体なのだ。
作家 星野智幸さん