車のための占用路面から脱却し多機能な道の空間へ進化しよう |
「脱車社会」を訴えるわけではありませんが、車の利用をもう少し制限する社会
に向かわないと、本当の意味で、環境問題の解決にはならないということです。
その結果、渋滞による経済的、社会的損失が大幅に低減したり、安全運転ができ
るようになったりするなど、いろんな面での効用も期待できます。もはや「車万
能の時代」は終焉したと認識を改める時期ではないでしょうか。
いま次世代型の路面電車(LRT)を復活させる取り組みが各地に広がっていま
すが、自動車離れの考え方はこうした動きにも表れています。その延長線上といっ
てはなんですが、高速道路の車線の一部を鉄道に開放し、高速道路の上に新幹線
並みの貨物専用列車を走らせるというのはどうでしょう。
学識経験者による検討委員会が発足したばかりでまだ構想段階ですが、候補に上
がっているのは現在建設中の新東名、新名神の両高速道路です。東京~大阪間を
結ぶこの大動脈は片側3車線の計画ですが、当面2車線で運用します。そこで、
空いている1車線に軌道を敷き、コンテナを積んだ貨物新幹線を走らせようとい
うわけです。リニア方式の採用も検討しています。横島
一番いいのは、自転車の通行を車や歩行者から分離することです。具体的には、
車道と歩道を隔てている街路樹や縁石を撤去した上で、車道部分のうちの歩道寄
り1m分を自転車道にあてます。このやり方で、全国の国道、都道府県道、市町
村道から自転車のための空間を拠出してもらい、自転車道のネットワークをつく
るわけです。
その一方で、子供たちに自転車の正しい走行マナーをきちんと教育すれば、子供
たちが大人になって車を運転するようになったとき、自転車を大事にするドライ
バーになるはずです。こうした基礎からの積み上げがあってはじめて、問題解決
につながる道筋も見えてくるのではないでしょうか。
車道と歩道の間に、自転車という補助線を一本引いてみると、これまでは見えな
かったことがいろいろ見えてきます。そういう意味で、自転車の問題は交通問題
の正解を引き出すための補助線であるというのが、私の持論です。