「ある視点」部門で審査員賞を受賞した、黒沢清監督東京ソナタ |
そんな中で、日本のプロデューサーが携わった国際共同製作の作品が相次ぎ上映されたのは、明るい兆しだった。いずれも出資だけの国際共同製作ではなく、創作そのものにかかわっている。
コンペ出品作「ブラインドネス」は日本、ブラ「ジル、カナダの共同製作で酒井園子がプロデュースに加わった。「ある視点」部門の「TOKYO!」 (フランス、日本、韓国)はパリ在住の沢田正
道と吉武美知子、「トウキョウソナタ」(日本、オフンダ、香港)も木藤幸江がプロデュースに参加している。
「日本はエキゾチックでヒップ(格好いい)、日本で映画を製作したいという話はかなりある」と酒井は言い、沢田は「映画はどんどん海外に出ていくべきだ」と力を込める。「海外でも評価され、ビジネスとしても結果を出したい」と木藤。日本人監督の華々しい活躍こそなかったが、その陰でこうしたプロデューサーたちの国際的な動きは希望の光に見えた。 日経新聞