JAPAIN の古い記事から |
日本の低迷ぶりは米国と比べものにならないほど深刻だ。株価の下落を比べてみよう。米国のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)五百種株価指数は一九九九年のピークから八%下がっただけだ。一方、日経平均株価は八九年にピーク雀打ったが、現在はその三分の一だ。商業用不動産でも、両者の対比は同様に衝撃的だ。(略)
日本経済の停滞は政治家のせいである。現在の景気減速のスパイラルは、日本の構造的な欠陥をあらためて浮き彫りにした。数年前までは、多くの人が日本に期待をかけていた。経済力はまだまだ中国を上回り、超優良企業も少なくない。だから、米国が息切れしたときには世界経済の落ち込みを少しは埋め合わせてくれるだろうと考えていたのである。
一貫せぬ小沢氏
・・・・・・そして第三の責任者は、民主党の小沢代表である。。民主党には市場志向の改革を支持する若手政治家が大勢いる。彼らは、戦後はぼ一貫して自民党の一党支配が続いてきたことに問題があるとし、主要政党による政権交代があれば月本の政治はよくなると考えている。おそらく小沢氏も同じ考えだろう。
だが剛腕でならす小沢氏は専横なワンマンの一面を持ち、僚友に相談せず取引をする傾向がある。これは、透明性と説明責任を掲げる政党の党首としてはまことに好ましくない。しかも機を見るに敏な小沢氏は次第に一貫性の欠如を示すようになってきた。たとえば農家の味方を標梼(ひょうほう)するのは、農村地帯の比重が高い参院選では妥当な戦略だとしても、自民党の古くさい政治家と何ら変わらない。
昨年十一月の大連立騒動も、このような無定見ぶりが引き起こしたとしか言いようがない。小沢
氏は打倒自民の信念をあっさり翻し、首相と会談した。だが自民党に取って代わる政党として自らを位置づけている民主党の改革派にとって、大連立は死刑宣告にはかならない。若手議員が非常な不快感を示したため、鳩山由紀夫幹事長は、党幹部会で代表に代わって自分が答弁すると述べた。
どうやら小沢氏は当面、権限の一部譲渡に同意したとみえる。
小沢氏は党のこめかみに拳銃を突きつけているような立場にある。代表の座を巡って意見対立が起きるようなことがあれば、民主党は空中分解しかねないとわかっている。小沢氏が離党を決意したら(なにしろその前歴がある)、何人かの議員は行動を共にするだろう。そうなったら民主党は参院での優位を失う。
「失望させることにかけては超一流」だと日本をやゆしたとき、論客として知られるある議員が反論した。タイトルは「失望しないことにかけてけ超一流の日本の有権者」とすべきだったという。
総選挙はこうした有権著にも、少なくとも政治家の選択基準を高めるチャンスをくれるはずだ。
エコノミスト 2月から