自由が生んだジャパンクール |
クリエーター養成学校を経営する杉山知之が『クリエイター・スピリットとは何か?』 (ちくまプリマー新書、二〇〇七年)で指摘するのは敗戦が生んだ自由 「伝統的な倫理観や道徳観を踏まえた教育」が「すべて否定され」た。そのため宗教などが社会規範として力を持つ国と違い特定のタブーをすり込まれることがなく、表現者が自由な発想を持つのに「こんなに恵まれた国はない」。ファッション、建築、.料理など現代日本文化が世界で創作者、消費者の双方を引き付けるのも規範の緩さ、自由自在さが要因にある。
日経新聞より
ただ、喜んでいられないで、衰退の兆しもあるようですが・・・
もう一つは時間と分野超えた連携。奥野卓司著『ジャパンクールと江戸文化』(岩波書店 二〇〇七年)によれば今の日本ポップカルチャーの源流は江戸の町人文化。漫画を通じ日本の生活文化全般に関心を持つ海外のの若者も多い。実写映画や人形、雑貨、インテリア、歴史物語
などを連続したものととらえ直し、日本の生活文化全般のファンを増やしていくのだ。米国のソフトパワーとは映画やコーラ自体ではなく、それらが表現・象徴する米国社会の理想lそのものだったはず。「食」を起点にスローライフというスタイル全般を売り込み、地方観光の振興にまでつなげたイタリアの行き方も参考になる。