働きづめだった男の願望 ふ~ん、そうなのか・・・・ |
・今日燕見きと妻への話題とす
・春の風邪今日一日の閑得たり
・妻の留守濃く茶を入れて桜餅
・母と娘と紅茶飲む窓シクラメン
でも、時には「一日の閑」を楽しみたい。糖尿病が心配ではあるが妻の留守には桜餅も食べたい。それというのも、妻がちょっと羨ましいのである。妻は娘としばしば窓辺の紅茶を楽しんでいるではないか。
「俳辞というものは、もともと和歌や連歌というようなまっとうなものではないというところから発達したものだから、何をどうやってもいいのだという意儀が私にはある。それに、俳句を作るのには免許証も必要ないので、勝手に作って楽しめばよいという気持もある」
「書を閉ぢて庭下駄履きぬ蝶の午後」。これは靖宏の願望の光景だろうか。退職後の境地だ
ろうか。ともあれ、時代を超越したようなのどかさ、それが句集『夏の楽しみ』の世界だ。
日経新聞 詩歌のこだま