ありふれた魔法 盛田 隆二著 |
本当にリアリティーがあり、特に昔は金融機関に勤めていたので、余計に、
リアルな感じが伝わってきて、感情移入をしてしまいました。
前に読んだ、「夜の果てまで」が思い出されて、就職が決まっているのに年上の女性にのめりこんで行って、親の期待、周囲の期待、就職先の思いなどを事毎く裏切って・・・・
それでもと、のめりこんで行く
そのことが思い出されて、ああ、不幸になる、不幸になると、
読むのが切なくなって、再三再四読めなくなりました。
なんでこんなに切なくなるのだろうか?セリフにリアリティーがある、智彦の女性の部下である茜の身を心配している自分、感情移入しそうで怖い?
いかにも怪しげな金持ちの茜の顧客、きっと何かありそうだ、
倒産しそうな2台目がやっている運送会社の融資を断る、断っても先方も必死だから、又来る。
男性の部下は食事ぐらいの接待を受けているだろうから、必死だ。
一線を超えそうで超えないもどかしさと、ともに無事だったかという安堵感
子どもの病気に、切ない思い、
初めてホテルに行った日に、遅く帰れば、携帯に家からの電話が入っていた。
子どもが大怪我をしたいた、朝方駆けつけた時には、集中治療室へ
やはり、予想通り(書評は読んでいたのですが・・・)二人は、羨ましいほど恋をしながら、奈落の果てに突っ込んで行きます。
家庭を壊し、会社での地位をなくし・・・・
でも、読後感はさわやかになりましたので、ほっと一安心です!
スピッツ ロビンソンの歌詞の中から
同じセリフ同じ時、思わず口にするような
ありふれたこの魔法でつくり上げたよ