読書ノート 「見える化」 |
確かに「見える化」は、非常に効果があがり、仕事に役立つものと思うが、ここに例としてあげられている、トヨタにしても、いま品質問題が問われており、デルコンピューターにしても実際に購入した人では不満もあるようです。
重要なのは、従業員一人ひとりが、お客さまの声にどこまで敏感であるかということと、「見えないものを見る」ことができる人を育て、問題解決の行動に移ることである。
<抜書き>
真の見える化を実現することは、決して容易なことではない。
企業経営はシンプルだ、見えていない現場は壊れる。見えている現場は創れる。「見える」ことーーーそれは企業経営の根源的は競争力であり、生命線なのである。
そもそものオリジナルの意味は、まさに「問題を『見える』ようにする」ことである。
人間の行動を誘引するために何より重要なのは、実態や問題を包み隠さず、タイムリーに「見える」ようにすることだと言えるはずだ。
見えていると勘違いしている企業の四つの共通点
①悪い情報が見えていない
②組織として見えていない
関与すべき人たち全員に見える
③タイムリーに見えていない
情報には鮮度がある、鮮度の落ちた情報に「腐った果実と一緒だ」
④伝聞情報しか見えていない
本質は、事実や一次情報を見えるようにすることである
「見える化」を経営思想として位置付け、粘り強く地道にその実践を続けていくことーーそれば透明性の高い企業風土を作り上げていく唯一の道である。
身近な見える化 野球のスコアボード
野球の思考のゲームの側面を引き出すためには、スコアボードによる「見える化」が不可欠なのだ。まさに野球は、スコアボードという「見える化」によって成り立っているのである。
明治大学の齊藤教授は、コミュニケーションとは、意味と感情のやりとりだと定義している。
さまざまなものを「見える」ようにしたところで、実際に業務に携わるひとたちの「感度」が鈍ければ、問題解決の行動には移らない。それぞれの職場で見える工夫を行った上で、一人ひとりがその触覚を磨き、変化に敏感な人を作り出すことがことこそが、「見える化」本来の目的である。究極の見える化」とは、「見えないものを見る」ことができる人ーーーそれを育てることである。
「見える化」には、五つのカテゴリーがある
問題の見える化
状況の見える化
顧客の見える化
顧客の声の見える化
顧客にとっての見える化
知恵の見える化
ヒントの見える化
経験の見える化
経営の見える化
「お客さまアンケート」や「情報カード」はあくまで手段にすぎない。従業員一人ひとりが、お客さまの声にどこまで敏感であるかによって、「見える化」の質が決まってくる。
「良い見える化」は、気づきを育む
気づきを発見させることこそが、「見える」の目的である
「良い見える化」は、思考を育む
気づきという刺激をきっかけに、人間の思考回路は回りはじめる。
「良い見える化」は、対話を育む
組織なにでの共通認識が出来上がり、対話を促進させるきっかけとなる
「良い見える化」は、行動を育む
何をしたらよいかという答えや仮説を得た人間は、それを実行したいという欲求を持ち、それが具体的な行動をもたらすのだ。
効果的は「見える化」のための10のポイント
1.まず現状の棚卸から始める
2.見せたくないもの、見られたくないものほど、「見える化」する
3.「見える」もの、「見せるもの」を絞り込む
4.鮮度、タイミングを重視する
5.アナログとデジタルを使い分ける
6.わかりやすくシンプルに
7.現場の当事者自身が「見える」ようにし、仕組みをつくる
8.本当の勝負は「見えたあと」
9.「見える化」のノウハウを共有する
10.経営トップが「見える化」を牽引する