隷属なき道 ルトガー・ブレグマン著 |
希望の党がどさくさ紛れにベーシック・インカムも持ち出して、人気取り政策に使われたのが、ちょっと残念なような気がしてなりません。
・過去最大の繁栄の中、最大の不幸に苦しむのは何故か?
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2017年 12月 29日
なかなか、示唆に富んだ本です。 ベーシック・インカム、ちょっと、前ならそんな馬鹿なことをと思ったのでしょうが、グローバル社会になって、身近に貧困問題や格差の問題が語られるようになった状況では、考えざるを得ないものがあります。 貧困問題に詳しい、湯浅誠さんは、反対だと言われているようですが、 希望の党がどさくさ紛れにベーシック・インカムも持ち出して、人気取り政策に使われたのが、ちょっと残念なような気がしてなりません。 反対の理由として、挙げられるのが、 1.人は怠惰なものだ、金をもらったら、働かなくなる 働かざる者食うべからず、正直ものが馬鹿を見る 2.そんな金、どこから出てくるんだ! でしょうね。 1.については、いろいろな実験、テストケースでは、希に働かなくなる人もいるそうですが、総じて、人は仕事に精をだすようになるそうです。考えてみれば、金持ちほど、働くというのは、少々のお金があれば、働きたくなるのが本性かもしれません。 2.は、 確かに難しいところはあると思いますが、叡智を絞って、検討を重ねていかなければならないと思います。 税制を変える必要があると思います。累進課税の強化、タックスヘイブンに大して国際的な対策を取るとか、当然のことながら、無駄な歳出、新規の建設とか、 ベーシック・インカムが実施されれば、社会保障費や年金が不要になります。生活レベルが上がるようになれば、健康的な生活を送る人が増え、医療費は下がる可能性があります(高くなる可能性もあるか)。消費が増えるから税収は上がる。 教育環境も良くなり、IQは増加し高収入の方が増える。等メリットも出てきます。 だれにでもが原則ですから、「貧しい人だけ」に施すという、社会を分断することもありません。公平な制度です、誰に渡すが、収入があれば、どこまでか?の線引、そんなシステムに人件費も掛ける必要もなくなってきます。 <抜書>・過去最大の繁栄の中、最大の不幸に苦しむのは何故か? そう、昔は、すべてが今より悪かった。ほんのつい最近まで、ほとんどの人は貧しく飢えており、不潔で、不安で、愚かで、病を抱え、醜かった、というのが世界の歴史の真実である。 ・1820年には世界人口の84パーセントが極めて貧しい生活を送っていたが、1981年までにその数字は44パーセントーサなり、それから数十年しか経っていない現在、10パーセントを下回っている。 ・60億人が携帯を持ち、平均寿命は100年前の倍以上 ・購買力を1パーセント向上させるか、炭素排出量をいくら削減するか。あるいは新たな仕掛けを発明するか。私たちに想像できるのはせいぜいそのくらいだ。私たちはありあまるほど豊かな時代に生きているが、それはなんとつまらないことだろう。フクヤマの言葉を借りれば、そこには「芸術も哲学もない」。残っているのは、「歴史の遺物をただ管理し続けること」なのだ。 ・ユートピアを描くにはもう一つの、ほぼ忘れられている方法がある。計画に基づくユートピアだが高画質の写真だとすれば、こちらのユートピアはぼんやりとした輪郭にすぎない。人々を無理やり縛るのではなく、変わろうという気にさせる。さらにこちらのユートピアは、ヴォルテールの言葉通り、「完璧は善の罠」であることを知っている。あるアメリカ人哲学者が述べたように、「ユートピアについて真剣に考える人は、計画に基づくユートピアという構想を、おそらくは不快に思う」のだ。 ・似たり寄ったりの政党、違いは所得税率だけ。 ・重要なのは目標を達成することだ。経済成長であれ、視聴率であれ、論文であれ、じわじわと、しかし確実に、質より量が優先されるようになってきた。 ・市場と商業は自由を謳歌している。食品業界は塩と砂糖と脂肪たっぷりの安価な食品を提供し、すぐさま私たちを医者と食事療法士療法のところへ送る。先端技術は多くの職業を奪い、私たちをジョブコーチのもとで送り込む。そして広告業界は、私たちをそそのかし、ただライバルにあっと言わせるためだけに、なけなしの金でいりもしないものを買わせるのだ。 ・かつてイギリスの哲学者。バートランド・ラッセルは書いた。「人間が幸せでいるためには、あれやこれやの楽しみばかりでなく、希望や冒険心や変化が必要だ」と。彼は別の場所でこう続けた。「求めるべきは、完成したユートピアではなく、創造と希望が生きて動いている世界である」 ・ホームレスに3,000ポンド(1ポンドは150円)を給付する実験。2009年5月ロンドンで、路上生活者は、フリーマネーを給付されることになったのだ。実験開始から1年半後には、13人の路上生活者のうち7人が、屋根のある生活をするようになっていた。そのほかに2人が、アパートを借り、そこへ移ろうとしていた。そして13人全員が、支払い能力や個人的成長へつながる重要な足がかりを得ていた。「あの鐘が彼らを近づけました」と、ソーシャルワーカーの一人が語る。「彼らに選択する権利を与えたのです。それが変化をもたらしたのでしょう」つまりそのプロジェクトは13人を救っただけでなく、かなりのコスト(13人のトラブルメーカーのために40万ポンド以上の公金を費やしていた)を削減したのだ。エコノミスト誌でさえ、「ホームレス対策費の最も効果的な使用法は、彼らにそのお金を与えることだ」と結論付けた。(彼らは平均で800ポンドしか使っていなかった) ・「貧乏人が貧乏である第一の理由は、十分な金を持っていないところにある」と、経済学者チャールズ・ケニーは言う。「ゆえに彼らにお金を与えると、その状況が大いに改善されることは、驚くに値しない」 ・ハイエクやフリードマンも支持したベーシックインカム ・アルコール中毒者、麻薬中毒者も、軽犯罪者もお金を無駄にしない。それでも「貧しい人々は怠惰だ」という主張は、何度も持ち出される。科学者はそれが本当かどうか調査することになった。・・・貧しい人々は、フリーマネーを受け取ると、総じて以前より仕事にせいを出すようになる。 ・貧しい人だけを支援するシステムは、彼らと他の人々の間に深い溝をつくる。「貧しい人だけのための政策は、貧しい政策である」と、社会政策を専門とするミスの偉大な理論家にチャド・トマスは述べている。計画、貸し付け、所得比例給付のすべてをきっちり管理するというのは左派に浸透した考え方だ。問題は、それが逆効果であることだ。 ・生活保護では、受給資格審査、申請、認可、返還といった煩雑な手続きのジャンルの案内人として、社会福祉課の人員が大勢必要になる。社会保障制度は、人々の安心感と誇りを促進すべきものだが、疑念と屈辱のシステムになり下がっている。すべて人に公平に給付するというベーシックインカムのシステムは、よりよい妥協策となるだろう。 ・貧困は個人のIQを13ポイントも低下させる。 ・多忙な生活をおくっている人と、貧しい暮らしをしている人の間には、重要な違いがある。それは、貧困は一休みできないということだ。 ・著名な経済学者バーナード・デ・マンデビルの言葉を借りれば、「奴隷を使うことが許されない自由な国において最も頼りになる富が、大勢の勤勉な貧しい人々である事は、明白だ」 ・貧困は幸福の最大の敵である。 「それは(貧困)間違いなく自由を破壊し、ある種の善行を行いなくし、他の善行を行い難くする」と、イギリスの随筆家、サミュエル・ジョンソンは1982年にいった。彼は、同時代の多くの人と違って、貧困が人格の欠陥でないことを理解していた。貧困とは、お金が足りないことなのだ。 ・ホームレス問題は解決できる。解決すれば、問題に投じてきた金額が浮く。貧困と闘う事は私たちの良心に従うだけでなく、財布にとっても良いことなのだ。 ・私たちが40年ほど前にもう少しで払拭できるところだった大きな誤解である。それは、貧困のない生活は働いて手に入れるべき特権であり、誰もが得られると権利ではないと言うものだ。 ・効率の向上を拒否するサービス 音楽がそうであるように、暮らしの中には、効率の向上を一切拒否するものはあるということだ。コーヒーメーカーをさらに速く、更に安く、製造することができるが、バイオリニストがむやみに演奏を速めると、曲は台無しになる。 ・今では「ボーモルのコスト病」と呼ばれる現象は、医療や教育のような労働集約的な部門では、大半の作業を自動化できる部門に比べると生産性が向上しにくいので、高くつく、と言うものだ。だが、ちょっと待ってほしい。私たちはこれを病気ではなく、恵みと呼ぶべきではないだろうか?結局、工場やコンピューターが効率的になればなるほど、医療や教育はますます非効率的になる必要がある。つまり、前者の効率化によって時間の余裕が生まれるので、時間をかけて高齢者や弱者の面倒をみたり、個々人にあった教育をしたりできるようになってしかるべきなのだ。 ・「さらなる成長を求める目標は、何のための、なんの成長かを、はっきりさせるべきだ」 今、私たちはこれらの古い問いについて再考しなければならない。成長とは何か。進歩とは何か。より基本的には、人生を真に価値あるものにするのはなんなのか、と。 ・「余暇を賢明に過ごせるというのは、文明が究極まで発展してようやく可能になることだ。」バートランド・ラッセル ・こたえは実にシンプルだ。時は金なり。経済成長はさらなる余暇と消費を生み出す。1850年から1980年まで、私たちはその両方を手に入れたが、その後、増えたのは主に消費だった。収入が増えず、格差が減って広がっても、消費の流行は続いた。しかも借金によってである。そしてそれこそが、労働時間の短縮は無理だという主張の根拠になってきた。みながより働かなくなれば、生活レベルが格段に下がり、福祉国家は崩壊する、とその論は続く。 ・研究者たちは皮肉を込めてこう結論づけた。「幸福度を最大限にするには、生活に占める労働と消費の(いずれもGDPを増やす)の割合を減らすのが得策であるらしい。 ・格差についてはどうだろうか?格差の大きい国は、労働時間が長い国でもある。貧しい人たちは、何とかやっていくためだけに長時間働き、豊かな人たちは、時給が上がるにつれて休みをとることがより「高くつく」ことを実感している。 ・皆が一斉に労働時間を週20時間とか30時間に切り替えられるわけではない。まずは仕事を減らすことを、政治の理念として復活させなければならない。そして政策として、お金を時間に変え、教育により投資し、退職制度をより柔軟にし、父親の育児休暇や子育てのためのためのシステムを整えていけば、徐々に労働時間を減らすことができるだろう。現在、雇用主は、パート職員を二人を雇うより、一人の社員に残業させるほうが安く済む。なぜなら、健康保険料などの福利厚生費が、時間当たりではなく従業員一人当たりで支払われるからです。 それはまた、私たちが労働時間を短縮したくてもできない理由でもある。そんなことをしたらしたら、会社で地位を失い、キャリアを積むチャンスを逃し、ついには、仕事そのもの失うかもしれない。 ・本物の余暇は贅沢ではない、身体にビタミンCが欠かせないのと同様に、脳にとっても欠かせないものなのだ。死の床にあって、「あともう少し会社にいたかった。もう少しテレビの前に座っていたかった」と考える人はいない。 ・「仕事とはほかになすべきことを持たない人々の逃げ場である」。オスカー・ワイルド(1854年から1900年) ・二十一世紀の教育は、労働力となることを教えるだけでなく、(さらに重要なこととして)人生をいかに生きるかを教えなければならない。「人間は、余暇に飽きる事はないだろうから」、1932年、哲学者のバートランド・ラッセルは書いた。「受け身で空虚な娯楽に溺れるようなことにはならないだろう」 私たちは、よい人生を導くことができる。十分な時間さえあれば。 ・ゴミ収集作業員となると、話は違ってくる。どこからどう見ても彼らは、私たちがそれなしではやっていけない仕事をしてくれている。その一方で、社会にとって必要不可欠でない仕事をする人が増えているのが、悲しい現実だ。彼らが急にその仕事やめたとしても、 世界は貧しくなるわけでもなければ、 醜悪になるわけでもなく、とにかく、よりひどいことにはならない。これらの仕事は、富を作り出すのではなく、富を移動しているだけなのだ。 ・近年、銀行部門は爆発的に拡大したが、それはパイ全体を増やすことには繋がらず、ただ銀行の利益を増やしただけだった。法曹界でも同じようなことが起きている。国が栄えるには、法の支配が欠かせない。しかし、現在、アメリカ国民の一人当たりの弁護士の数は、日本の17倍にも及ぶが、それはアメリカにおける法の支配に17倍の効果をもたらしているだろうか?あるいは、アメリカ人は日本人の17倍、法に保護されているのだろうか?アメリカには、製品を生産する意図もないのに、その特許を取る法律事務所が1つとは言わず存在する。 ・奇妙なことに、最も高額の給料を得ているのは、富を移転するだけで、有形の価値をほとんど生み出さない職業の人々だ。実に不思議で、逆説的な状況である。社会の繁栄を支えている教師や警察官や看護師が安月給に耐えているのに、社会とって重要でも必要でもなく、破壊的ですらある富の移転者が富み栄えるというようなことが、なぜ起こりうるのだろう? ・だが皮肉なことに、その変化が、ますます多くの人が有形な価値を見出さないまま金を儲けるシステムを作りだした。豊穣の地で、私たちがより金持ちになり、より賢くなるにつれて、より金を使うようになることを進歩のパラドックスとよぼう。 ・実際、革新しないことが、益々利益を上げるようになっている。何千人もの優秀な人材が最終的には富を破壊するだけの複雑な金融商品の開発に時間を浪費したために、どれほど多くの進歩をこの社会が逃してきたのかを、想像してもらいたい。同様に製薬業界では、優秀な研究者が、すでに存在する薬とほんのわずかしか違わない新薬の開発に人生の最良の時間を費やし、優秀な弁護士がその特許を申請し、優秀な広報部門がたいして新しくもない新薬を売るために斬新なマーケティングを戦略を練っている。これらすべての才能が、富の移動ではなく、富の創造に投資されていたらどうだろう。 ・今とは違う世界に私たちは踏み出すことができる。そして改革の常ながら、最初に手をつけるべきは税金だ。例えば、金融業界を抑制するために、取引税を導入してもいいだろう。 ・さらに重要な事は、そうした税金によって私たち皆がより豊かになれることだ。税金のおかげで、パイを全ての人により平等に分配できるだけでなく、パイ全体が大きくなるのだ。 ・レーガン時代の減税が我が国の最も優秀な頭脳を、教師や技術者から銀行員や会社会計士と変えた。・・・・そして結論を言えば、私たちはみな貧しくなった。銀行が1ドルを儲けるごとに経済の連鎖のどこかで60セントが失われている計算になる。しかし研究者が1ドル儲けると5ドルから、往々にしてそれをはるかに上回る額が、経済に還元されるのだ。ハーバード大学流に言えば、 高額所得者に高い税金を課せば、「 才能ある個人を、 負の外部性を持つ職業から、正の外部性を持つ職業にに再分配する」のに役立つ。 ・簡単に言えば、税金を高くすれば有益な仕事をする人が増えるのだ。 ・さらなる繁栄と仕事のロボット化が進めば、最終的に私たちは「手段より目的を重視し、有用性よりも善を好む」ようになるだろう。労働時間を短縮するのは、座ってぼんやり過ごすためではなく、本当に重要なことにより多く時間を費やすためなのだ。 ・マサチューセッツ工科大学の2人の経済学者は、「グレート・デカップリング」と名付けた。「これは、われわれの時代の大きなパラドックスだ」とその1人は言う。「生産性は過去最高のレベルにあり、革新は買ってないスピードで進んでいるが、同時に、平均収入が落ち、雇用が減っているのだ」。 ・現在、 新しい雇用は主にピラミッドの底辺、 すなわち、 スーパーマーケットやファーストフードのチェーン店、 介護施設で働く低所得者層に集中している。 ・ただで蚊帳を手に入れた人のほうが、蚊帳を買う確率が2倍高かった。この研究を紹介したデュフロは、簡潔に指摘した。「人は施し慣れるわけではありません。蚊帳を使うことになれるのです」 ・移民の子供についてはどうだろう。民族的背景と犯罪の繋がりはゼロだったのだ。若者が犯罪に走る原因は育った環境にあると、その報告は明言した。貧しいコミュニティーでは、オランダ人の子供も少数民族の子供と全く同等に、犯罪に走りやすいのだ。 ・では現代社会が一体性にかけるのが多様性のせいでないとしたら、原因はどこにあるのだろう。答えは簡単だ。貧困、失業、そして差別である。「信頼を蝕むのはコミュニティーの多様性では無い」、アバスカルとバルダサーリは結論づける。「むしろ、多様なコミュニティに暮らす人々が直面する不利な状況が、原因なのだ」 ・移民が増えれば仕事を奪う。 当時も今も、求人市場は椅子取りゲームのようなものだと多くの人が考えている。だが、それは誤解だ。生産力がある女性や高齢者や移民は、男性や若者や勤勉な市民の職を奪ったりはしない。むしろ労働力が増えると、雇用の機会は増える。それは、消費が増え、需要が増え、ひいては仕事の数が増えるからだ。 ・移民はけっして母国に戻らない これは私たちに魅力的な逆説をもたらす。開かれた国境は、移民の帰還を促すのだ。今日、メキシコの違法移民は7%しか帰国しない。「私たちは、毎年、納税者が遅め収めた10億ドルを国境の警備に費やしているが、それは役に立つどころか有害でさえあり、非生産的だ」と、プリンストン大学の社会学教授は述べた。「警備が強化され、リスクとコストが高まるにつれて、懸命にも移民は、国境越える回数を最小限にするようになった」。 ・世界で最も豊かなアメリカは移民が建てた。 ・三パーセントの移民受け入れで開発支援総額の三倍の効果。豊穣の地の門は閉ざされ、施錠されたままだ。そして、かつて壁を巡らせた都市の門を激しく叩いた物乞いのように、この守られたコミュニティの周囲に数億の人が群がっている。 ・世界をより良い場所にしたいなら、移民を避けることができないということだ。ほんの少し、ドアを開けるだけでも良い。先進国すべてがほんの三パーセント多く移民を受け入れれば、世界の貧者が使えるお金は3050億ドルも多くなると、世界銀行の科学者は予測する。その数字は開発支援総額の三倍だ。 ・開かれた国境の主唱者の1人であるジョセフ・カレンズが1987年に記したように、「自由な移住は、すぐに達成できないかもしれないが、それに向かって努力すべき目標である」 ・新自由主義が生まれて間もない頃にハイエクが断じたように、現在、私たちが「人間のアイディアと信念が歴史を動かす主な原料原動力だ」という見方を疑っている。「誰にとっても、自分の信念が、いまのそれとは異なる状況を想像するのは非常に難しいものだ」とハイエクは言う。新しいアイディアが社会に広がるのに、一世代かかることもあると、彼は主張した。ゆえに私たちは、「ユートピア主義者になる勇気」を備えた忍耐強い思索家を必要としているのだ。」 ・少々時間がかかったが、その「非現実的だ」という批判が、私の理論の欠陥とはほぼ無関係であることに気づいた。「非現実的」というのはつまり、「現状を変えるつもりはない」と言う気持ちを手短に表現しただけなのだ。ひとを鈍らせる最も効果的な方法は、相手に自分はおろかだと思わせることだ。そうすればほぼ確実に口を紡ぐので、検閲より効果がある。 ・私がベーシックインカムについて書き始めたとき、それについて聞いたことがある人はほとんどいなかった。しかし、わずか三年後の現在、ベーシックインカムのアイディアは至るところに広まっている。 ・最後に、なったが、本書が提案したアイディアを行動に移す用意ができているすべての人に、2つのアドバイスをしたい。まず世の中にはあなたのような人がたくさんいることを知ろう。それも大勢いるのだ。テレビを消して、自分の周りをよく見て、人々と連携しよう。ほとんどの人は、優しい心を持っているはずなのだ。そして2つ目のアドバイスは、図太くなることだ。人が語る常識に流されてはいけない。世界を変えたいのであれば、私たちは非現実的で、無分別で、とんでもない存在になる必要がある。思い出そう。かつて、奴隷制度の廃止、女性の選挙権、同性婚を求めた人々が狂人とみなされたことを。だがそれは、彼らが正しかったことを歴史が証明するまでの話だった。 参考ページ、よくまとまっています。 一人当たり10万のベーシック・インカムでは、人口1億として、100兆円?かかります。 現在の国債が三分の一もしめる予算でも、93兆円規模びっくりです、これは、現実的ではないと思うが、そこをどう考えているのでしょうか? それは、解決済み?というサイトもあります。この場合は、月7万で、18歳未満は3割とする案です
by nandemokoukisin
| 2017-12-29 11:52
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