平和「築く」もう一つの道 瀬谷ルミ子さん |
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2017年 08月 27日
女性の方で、武装解除に携わったと、日本人の方も頑張っているのですが、それが伝わってこない。
こういうインタビュー記事は貴重なのではなかろうか!
きな臭い時代だ。世界ではテロや紛争が続発。日本では「積極的平和主義」の名のもとに、自衛隊の役割が広げられた。揺れる「平和」を考えるため、世界の紛争地で活動する平和構築の専門家、瀬谷ルミ子さんに尋ねた。平和って、築くものなのですか? どうしたら築けるのでしょう? —「平和構築」、なじみの薄い言葉です。 争いが起きた地域で、再び起きないようにするのが平和構築です。 戦争が終わっても、兵士は素直に喜べない。仕事を失うからです。武器を回収し、職業訓練を施し、社会復帰の手助けをしないと、「誰かを襲おう」となりかねない。私は20代のころ、アフガニスタンなどで武装解除にとりくみました。 いまは、加害者と被害者の信頼回復にもとりくんでいます。近年の紛争は加害者と被害者が入り交じり、家族を殺した人が隣に住んでいたりする。 私たちは、対立を越えてみんなが興味をもつ事業を通じ、交流を促しています。たとえば農業支援の中に、協力したほうが互いの利益になる仕組みを導入する。家畜の伝染病の情報を民族を越えて共有すれば、早くワクチンを接種し、被害の拡大を抑えることができる。そうした交流の結果、対立していた民族の間で結婚するといった事例も生まれています。 日本紛争予防センターは紛争の被害者自身が平和構築の担い手になるよう、現地の人材育成にとりくんでいる。現在は南スーダン、ケニア、ソマリア、トルコで活動している。 ☆ODA・自衛隊派遣ではなく、交流促し対立解消 ーそういう活動、日本ではめずらしいのでは? 日本の国際貢献というと、主に政府の途上国援助(ODA)と自衛隊派遣が議論になりがちです。その二者択一ではなく、非軍事で実践的な貢献の選択肢を作ろうと活動しています。 日本には潜在的な力がある。紛争地で、よく「日本はどうやって立ち直ったのか教えてほしい」と聞かれます。米国と戦って原爆まで落とされたのに、経済大国になった。ならばいまはポロボロな自分たちも、いずれそうなれると希望を与えることができる。 日本の団体だから活動しやすい地域もたくさんあります。欧米の人が中東やアフリカで活動すると、かつて植民地にしたり、いまも軍事作戦を行っていたりするから疑われやすい。日本にはそういう経緯がなく、中立的な支援で実績をあげてきました。その立ち位置をもっと生かすべきです。 それには人材を育てる必要がある。いま始めないと10年、20年後にはODAも減り、日本の戦後復興も忘れられ、「どうやって立ち直ったか」と聞かれることもなくなるかもしれない。 ー安倍政権がとりくむ自衛隊の役割拡大をどう思いますか? もし全世界的に米軍と足並みをそろえれば、日本の強みである中立性を失う。その点は懸念しています。 私は軍事力を完全に否定してはいません。PKO(平和維持活動)なしには、紛争の激化を防げない場合もある。PKOに自衛隊を派遣するなら、駆けつけ警護の枠組みは整えるべきでしょう。 ただし、政府はNGO職員らの警護を想定しているといいますが、住民を守ることができなければ批判を浴びる。戦闘が起きて早々に撤退すると、現地に社会不安が広がるでしょう。そうした現実にふたをして議論してはいけません。 PKOは住民保護など踏み込んだ役割を果たすようになり、リスクが高まっています。そのぶん、自衛隊を出すか出さないか慎重に判断する。出すのであれば意思決定などの仕組みをきちんと整える。そこをあいまいにすると、派遣した部隊の指揮官が、法と現実の板挟みになって苦労するのではないでしょうか。 ー役割拡大に反対する人たちへの注文は? 代わりに何をするのかを一緒に考え、行動しないといけない。平和を祈ることは大事ですが、それだけでは世界は救われません。 自国の平和のためにも、世界の平和を考えなければならない時代です。テロは国境を越えて広がる。テロの原因となっている紛争の終結とか、根本に目を向けないといけない。 ボランティアや寄付も積み重ねれば、紛争地の誰かの人生を変えられる。できることをしてみませんか。 センターは、書き損じや未使用のはがきの寄付を呼びかけ、換金して支援に役立てている。はがき20枚で、心に傷を負った子どものケアのための絵本を1冊、届けることができる。 ◯せや・るみこ 1977年群馬県桐生市生まれ。国連PKOや日本外務省、NGの職員として、ルワンダ、アフガニスタン、シエラレオネ、コートジボワールなどで活動、2007年から紛争予防センター事務局長、13年から同理事長。 ☆取材後記 瀬谷さんの論旨をまとめるなら、私たちが抱きやすい「平和を析る」という意識を「平和を築く」に切り替え、行動しようという呼ぴかけだろう。 先の戦争の体験は、平和を希求する強い想いを育んだ。同時に、平和は析るもの、という意識や行動様式も広げなかったか。そこに「あの戦争は一人ひとりの国民(当時は臣民)にはいかんともしがたく、戦災も天災のように耐えるしかなかった。できるのは析ることくらいだ」という戦争観・平和観がないだろうか。 いまの私たちは、微力だとしても無力ではない。瀬谷さんの実践はそれを証明する。政権とは違う、もう一つの積極的平和主義へ。貴重な試みと思う。(編集委員・松下秀雄)
by nandemokoukisin
| 2017-08-27 23:22
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