経済気象台 役割を終えた?年賀状 朝日新聞 |
面倒だし、ということは、出す人も面倒だから、だんだん縮小せざるをえませんね!
ないと寂しいけど、出すのは面倒な年賀状
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毎年多くの年賀状をもらうが、最近は年賀状を出すのとまったく同じ感覚で喪中はがきが送られ
てくるようになり、今年は年賀状の1割にあたる枚数の喪中はがきが届いた。郵便局の窓口では販売強化を図っており、喪に服す本来の意味が失われてしまっている。
死を一種の穢れと捉える神道の世界では故人の死を悼む間、楡れが他の人に波及しないように身を慎む。静かに蟄居する姿勢こそが合っている。そのため、喪に服すのは、ごく近い親族が亡くなった場合に限るのが通例だ。別居している祖父母、両親の兄弟まで喪中の範囲と考え、安易に喪中はがきを送付する傾向には違和感を覚える。
日常的にはITの進展でメールが増え、手紙やはがきを認める機会は激減している。年賀はがきの発行も2004年用の約44億5千万枚をピークに、ここ8年間は毎年約1億枚ペースで減し、17年用は約31億4千万枚まで落ち込んだ。
そればかりか、今年受け取った年賀状のうち、宛名が手書きだったのは1割にも満たない。決まり文句のあいさつ文が印刷された年賀状に、宛名ソフトで住所と氏名を印字して一斉投函しているにすぎず、もらう方も相手方の消息を確認するだけ。そうであるなら、はがき代や印刷代、さらには忙しい年末に大量に印刷する作業を省略したくなるのもうなずける。往年の年賀状は役割を終えたと捉えるべきなのかもしれない。
そんな中、今年6月からはがきが値上げされる。消費増税時を除けば23年ぶりで、10円上がって62円になる。これでは、はがき離れが加速するのは明らかで、年賀状依存の郵政事業も早急にビジネスモデルの変革を行うべきである。 (惻隠)