安倍政権は、安保法案同様、沖縄も安易に見すぎていると思う 朝日新聞 |
特派員に「辺野古反対」 「国際社会に訴えねば」
スイス・ジュネーブで聞かれていた国連人権理事会に出席し、沖縄に米軍基地が集中する問題について「沖縄の人々がないがしろにされいる」と訴えた翁長雄志知事。帰国直後の24日、東京の日本外国特派員協会で記者会見し、改めて「辺野古反対」をアピールした。
翁長氏は「県民挙げて反対を訴えていくと、日本の民意が変わることもあり得る」と強調。訪欧の狙いについては「日米両政府に訴えてもたらい回しにされる。国際社会にも訴えなければならない」と説明した。
海外メディアからは、安倍政権の姿勢や、安全保障関違法の成立について質問が集まった。翁長氏は「民主主義の価値観を世界に広げるための日米安保体制というが、小さな沖縄を翻弄して構わないという国が、世界の国にこれを訴える資格があるのか」と述べた。
「政府ナンセンスな態度」
会見は日本を含む14力国の106人が取材した。
仏RTL放送特派員のジョエル・ルジャンドル氏は「安全保隙間違法が成立したことによって沖縄が標的になるかもしれない」と翁長知事に質問した。会見後、「日本社会は沖縄県民の思いに正面から向き合い、その負担を分け合うべきだ」と話した。
元ロイター通信勤務でエネルギー関連記事をネットで配信するアイルランド出身のトム・オサリバン氏(54)は国連で訴えた翁長氏について「政府との集中協議でも解決しなかったことに失望したのだと思う」と分析。「開かれた民主主義、言論の自由が保障されだ国の人間として、知事の行動に敬意を表する」と評価した。
一方で、欧米の多くの人々は米軍基地の移設問題をめぐって日本政府と沖縄県で意見の相違があることを詳しく知らないと指摘、「少なくとも当事者である米国の私の友人は興味を持つだろうから、記事を書きたい」と話した。
中東向けのニュース配信会社「パンオリエント ニュース」の設立者でシリア出身のカルドン・アズハリ氏(55)は、翁長氏が政府を通さずに国連や米国に直接訴えたことに驚く。「アラブの多くの国では許されない。日本は真の民主主義国家だ」。その上で「沖縄県民を代表して真剣に発言を続ける翁長知事に対し、日本政府はナンセンスな態度をとり続けている」と政府の姿勢を批判した。(高橋友佳理)