「限りなく少なく」豊かに生きる ドミニック・ローホー |
・「むやみに抗うことはエネルギーを消耗させるだけ・・・・やらなくてはならないことが生じたときに取り組めばよし」禅の教え
・一日持ち歩いたバッグは中身を完全に空にする
・持ちものを最小限にとどめることで、私たちは今よりずっと「自分らしく」生きることができ、これがまたたまらなく清々しい解放感を与えてくれるのです。
・利休にならい現代のわたしたちもできる限りものを減らし、それぞれのアイテムはひとつだけにしてみませんか?「選択」するということは、2番目以降はないということです。
・真実を語るのは、それを要求されている場合のみ語るべきであるとトマス・アキナスは教えています。人生を人に頼らず自分らしく生きようと歩み始めた人だけが、自らの秘密に近づくことができるのです。その胸の内を、なにも他人に明かす必要はないのです。
・孤独は自身のエネルギーを「満タン」にすることにほかなりません。・・・ジャン・ジャック・ルソーも、エミールの中で「私は偏見をもつ人間であるよりも、逆説を言う人間であるほうを選ぶ」と書いています。
・19世紀を代表する英国のロマン派の詩人バイロンは、孤独の中にいることがいちばん寂しくないとまで言っています。
・まず、自分が確信をもっているものごとを見直し、その数を減らしましょう。私たちにとって大事なのは、ものごとに対応する力をつけることです。それが、なにか困難にぶつかったとき、失望から私達を救う最良の方法なのです。
・人生の矛盾を、なんとしても解決しなければいけないといった義務感にとらわれずに、日々生じる疑念や一見理不尽な出来事も、それはそれとして享受する能力のことをカントは「否定的能力」と呼んでいます。そしてそれには喜びや苦悩がともなうこともあります。人生の豊かさとは、結局はこのような矛盾に満ちたものだからです。
・人生に限界があるのに対して、知識は無尽蔵です。「無尽蔵な知識を追い求めて、限りある人生を惑わすことは疲れるだけ」と荘子も言っています。
・身体全体から漂っている圧倒的な平凡さが、年齢や趣味や人柄や、そういう初対面を判断するための要素を全部覆い隠していた。小川洋子「薬指の標本」
・友人がよく「幸せになるには頭をつかいなさい」と言うように、幸福はしばしば知性の問題でもあるのです。
・「愉しみ」は外部から、周囲の人たちからもたらされるもので、「喜び」は自分の内面からわき出てくるものです。